大雨の影響

 台風は熱帯の温かい湿った空気をもたらすため、大量の雨を短期間(数時間から数日)のうちに広い範囲に降らせます。そのため,河川が増水したり堤防が決壊したりして水害が起こることがあります。近年は治水事業が進み,大河川の氾濫は少なくはなっていますが,都市部では周辺地域の開発が進んで保水(遊水)機能が低下していることもあり,都市部の被害の割合が増えています。

台風第9号接近時(1997年7月26日15時)のレーダーエコー図

 また,雨により山やがけが崩れたり,土石流の発生などの土砂災害も起こります。雨による土砂災害の犠牲者が自然災害による死者数(地震・津波を除く)の中で大きな割合を占めるようになってきました。近年の宅地開発は都市郊外の丘陵地や急傾斜地を利用することが多く,宅地造成により新たながけが形成されることが土砂災害による被害を大きくしています。

 さらに,アウトドアレジャーが盛んになり,キャンプをする人々が増えていますが,上流域に降った雨による増水により川の中州などに取り残されて救助を求めることも増えています。雨だけでなく,川の増水に対しても注意することが大切です。。


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