大阪府立春日丘高等学校  
 
 
             

 

東北被災地訪問プログラム 現地速報

第1日目
朝日新聞社仙台総局訪問
 仙台空港に到着して、朝日新聞社仙台総局に向かいました。震災の数ヶ月後から仙台総局に勤務されている中村さんという記者にお話を伺いました。 震災直後、数ヶ月後、1年後...それぞれの報道の違いを質問したところ
直後:何が起きたのか、どうなったのか、それを正しく伝えることを一番に考える。
数ヶ月後:被災した人たちがどう過ごしているか、何を求めているか、仮設住宅での生活や仕事をどうするかと言うことに重点を置く
一年後:明日、これから、どうなっていくのか、住む場所、そのためのお金、仕事など未来に関して何が問題なのか追及する
とのことでした。そのほかにも、義援金の使い道や、がれきの山、風評被害についての問題お聞きできました。たくさんの 話のなかでも、普段なかなか報道されない子供の話が特に印象でした。 自分たちのふるさとに関心を持つようになった、中学校の同級生が高校生になってからも週に1度集まって、話し合いをしていると聞きました。 小さい子供はまだしっかりと考えられないし、大人は自分以外の家族をも支えていかなければならない。そんな中で高校生はとても重要な役割を 担っているのだと知りました。それと、誰も何も言わなくても子供同士で助け合うのが当たり前になっているという話を聞いたときは素直に すごいなと思いました。 こういったときにお互いに助け合えるネットワークが大切だと改めて感じます。また、中村さんはテレビ局で働いていたこともあり、新聞とテレビの 報道の違いなども教えてくださいました。それぞれの特性によって、取り上げる内容も違います。カメラがあるテレビでは、警戒してなかなか本音を話して くれない方にも、新聞の取材では本音に迫れ、それを新聞を通して世に伝えられます。中村さんは「いつか、どこかでおこるであろう」ことを 記事にすることを心がけているそうです。国民みんなが納得し、今後予想されている南海地震につながるように、制度や仕組みを作っていくことが 今の課題だと話しておられました。(W)

日和山より石巻市街の被害状況を確認
実際に被害の様子を見て感じると、テレビで見ていたときには、深刻には感じていなかったのだと思い知りました。 復興にはほど遠くがれきの山が残っており、家は土台しか残っていません。航空写真では流されず残っていた家は、一階がなく、見えないはずの 向こうの海が広々と見通せた。もともと家があったところには、ひまわりが咲いていた。
特に印象的だったのは、高台の下にある門脇小学校の校庭で 「ぼくらは負けない」という言葉を掲げて少年野球が練習している風景でした。
この小学校は、津波におそわれたあと校舎が全焼した。震災から一年以上たつが校舎内はそのままで、ランドセルなどがほこりをかぶっていた。 そんな校舎の前で練習をしている姿は、震災に立ち向かい力強く生きようとする姿とかぶって見え、石巻の将来は明るくなるという希望を感じました。 しかし、この学校の廃校は決定していて、もうすぐこの風景も見えなくなると思うと、校庭の端に咲くひまわりも寂しそうに見えました。(S)

石巻高校書道部と交流
 石巻高校では、9人の書道部の生徒さんたちと先生方に迎えられました。石巻高校の生徒さんたちはとても明るく、 私たちがの緊張や不安をふきとばしてくれました。そして、震災直後の話を詳しく伺いましたが、私たちと同じ高校生から見た震災は、 普段テレビでは報道されない視点を感じさせられました。特に、「大人は家族のことを考えなければならないが、 高校生は考えてもできることが少ないので、目の前のことを優先して行動していくことができる」 とのお話が印象的でした。 また、学校で一致団結して他の被災された方を受け入れたり、食料の配給など高校生が率先して行動していたことに驚きました。 自身も被災されたのにすぐに切り替えて、他の人のために何かしようとする姿勢は尊敬しました。
 話を聞いた後は大阪から準備していったたこ焼き作りをしました。石巻高校の生徒さんはとても丁寧で、私よりも上手でした。 そして、みなさんきさくに話をしてくださり、とても貴重な時間を過ごすことができました。 最後の春高からもっていた寄せ書きを渡すと、とても喜んでくれました。いつかも春高にも行きたいと言ってくださりとてもうれしかったです。 今日であったみなさんとは、今日限りではなく今後も交流をしていきたいと思いました。(Y)

お風呂で出会ったおばあさんからのプレゼント
 途中で寄ったお風呂で偶然、自称女神というおばあさんと出会いました。 高校生で被災地を訪問していると話すと「ありがとう」と何度も言って、 震災当時の話などをしてくださいました。
 お風呂をあがると、地元のお祭りのTシャツとタオル、そして地元のりんごジュースをいただきました。
私たちにとって、本当の女神でした。
東北のひとのあたたかさを感じられ、すばらしい1日のしめくくりとなりました。(S)
           
  仙台空港に到着しました   空港外の復興記念植樹   朝日新聞社仙台総局での取材    
           
    石巻市内 がれきの山がいくつも   無事に見える建物も1階は津波   門脇小学校 津波後に火災    
           
    津波の凄まじさが残る校舎   ランドセルが放置されたまま   石巻の被害の様子    
                
    石巻高校書道部の皆さんとたこ焼きパーティー   春高からの寄せ書きを渡しました   出会ったおばさんにTシャツ・タオルをいただきました