東北被災地訪問プログラム 現地速報
第4日目
今日は午前中,街が壊滅的ダメージを受けた陸前高田を訪問し,ガイドの方から説明を受けました。
ここは被害の大きさから,復興はおろか,何も進んでいない状況でした。
ただ,津波にも負けず残った一本松(残すことには異論があったようですが)は,明日への期待を感じさせます。
復幸マルシェ(幸という字がよいですね)で各自昼食をとったあと,お土産物を購入しました。東北の物を購入する
これも大切な東北支援です。
午後は,気仙沼高校と交流を行いました。
昨年訪問した本校生徒から預かってきた,気仙沼高校の生徒宛のお手紙を渡すこともできました。
生徒たちより
今日は、語り部の新沼さんが陸前高田市を案内してくださいました。
ここが陸前高田市のメインストリートだよ。」そう言って案内してくれた元商店街は、一面の草むらで、
建物は全くと言っていいほどありませんでした。
「前まであったけど解体されてしまってね。」と新沼さんは話してくれましたが、
陸に乗り上げた船や曲がった鉄筋、無くなってしまったたくさんの松や木に引っかかったシャツが、
津波の恐ろしさを物語っていました。市役所や公民館などの指定避難所は大きな被害を受け、海沿いの住民や訓練している企業の人々は多く助かったそうです。
新沼さんは、「日頃から、家庭、学校、企業で震災教育をすべきだ」とおっしゃっていました。
その後、気仙沼高校で生徒会の方と交流をしました。当時の状況やその後の話だけでなく、
大阪との文化の違いなども聞くことができ、とてもいい経験になりました。私たちが校内募金で集めた義援金も、
生徒会の会長さんに渡しました。それが、少しでも復興の手助けになれるのかな、と思うと嬉しかったです。
今日で長かったような短かったような4日間が終わってしまいました。
今回思ったのは、大岡先生もおっしゃっていましたが、ボランティアは行くものではなくて、行かせていただくんだ、
という事でした。体験すること、直面すること、全てが自分にとって新鮮で、学ばせていただくことがたくさんあって…。
本当に勉強になることばかりでした。
高田のおばちゃんが、最後に私たちに涙をためて言ってくれた言葉が今も忘れられません。
「おばちゃん、10年前に息子を突然なくしてね。今まで泣いて暮らしてたんだよ。
でも、みんなが来てくれて、明るい会話が聞こえて、おばちゃんもなんだか元気になれたよ、ありがとう。
親より先に子供が死ぬと、親は泣いて暮らすことになるからね。みんなは、立派になんてならなくていいから、元気に大きくなってね。」
今回学んだ多くの事を忘れずに、学校のみんなに伝えたいと思います。【小谷】
帰りたくないと願いつつ、朝を迎えました。朝ごはんの後は、おじさん、おばさん、おばあさんとの涙のお別れでした。
最後におばさんは『立派な大人にならなくていいから、元気に生きなさいよ。』と言葉を残してくれました。
新沼さんのガイドで、陸前高田市を回りました。陸前高田市は、大量のがれきと工場の業者、雑草、それ以外は何もありませんでした。
新沼さんが震災前の写真を見せてくれましたが、あまりの違いにショックを受けました。
その他、政府が行うことと住民の意見が違うということも知りました。
政府は奇跡の一本松のオブジェ、建物の解体などに膨大な費用を投じていますが、住民としては、仮設住宅の問題をなんとかして欲しいそうです。
さらに、テレビなどのメディアが視聴率を理由に被災地のことを取り上げなくなったことについて、新沼さんは『何のためのメディアなんだ。』と、
言っていました。私も共感です。津波教育についての話もしてくれました。避難指定場所の11ヵ所のうち、10ヵ所が被災し、たくさんの犠牲者を出しました。
その一方で、地震が起きたらまず高台に逃げるという意識のあった人達はみな無事だったそうです。その教訓を活かして、どこに住んでいようと、
意識を持たせるべきだと思います。
お昼を復幸マルシェで済ませたあと、気仙沼高校と交流をしました。
生徒会の方から、当時の体験談を聞きました。同じ高校生なのに、
みなさんは私達の何倍も頑張っていて、勉強させられるばかりでした。
この4日間、とても貴重な体験やボランティアができて嬉しく思います。
私自身も成長できたかなと思います。一緒に行ったみんなとの楽しい思い出もできました。
しかし、被災地の現状を目の当たりにして、ショックをたくさん受けたし、自分の無力さも思い知らされるばかりでした。
なので、少しでも私ができる支援は続けていこうと思います。そして、私が4日間で吸収したことをしっかりとみんなに伝えていきます。
【吉田】
最終日は奇跡の一本松を見てから、気仙沼高校との交流。一本松は遠くから見たけど、本当に周りに何もなくて、その松だけ残ったのがわかった。
ガイドさんにも気仙沼の震災の様子や被害を教えてもらい、町を見ながら学べた。
気仙沼高校との交流は楽しくてあっという間だった。生徒会の方々とお話ししたり、高校の話をしたり、いっぱい交流できて良かった。
東北での活動は普段にない生活でいい経験となった。
ホストファミリーの方々もとてもよくしてくださって、本当に嬉しかった。ご飯にも名産のさばや、かつをも出してくださって毎日おいしいご飯をいただた。
あっという間の3日間の東北生活だったけど、とても充実した毎日となった。
【小笠原】
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