アブラナ科 Brassicaceae
がく片4、花弁4、雄しべ6、雌しべ1(子房2室)、葉は互生。多くの栽培植物がある、ダイコン、カブラ、カラシナ、ハクサイ、キャベツ、メキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ケールなど。ワサビやオランダガラシ(クレソン)も食用にされる。地中海周辺から中央アジアが原産らしい。離弁花であり、おしべ・がく片ともに単独で生じ、基部から取り外しやすい。花の構造を分解・学習するために最適の植物群である。セイヨウカラシナは春の一時期に大量に淀川水系各河川の堤防上で開花し、個々の花も大きい。これを題材に、春に新学期最初の実習を企画するとよい。
アブラナ属 Brassica
セイヨウカラシナ Brassica juncea
ロシアで栽培されていたものが、ヨーロッパかアメリカ経由で渡来して帰化したもの、淀川流域の堤防に群生する。種子からカラシをつくるため世界中でカラシナ類は栽培される。アブラナ・カブ・ハクサイと異なり、茎から出る葉の基部は茎を抱かない。

ナズナ属 Capsella
ナズナ Capsella Bursa-pastoris
田畑や道ばたに多い越年草で別名「ペンペングサ」。根出葉(根から出る葉)は葉柄があって羽状に分裂する。上部の葉は柄がなく基部は茎を抱く。茎は高さ10〜40cm、花期は3〜5月。果実は逆三角形で、春の七草のひとつ。

マメグンバイナズナ属 Lepidium
マメグンバイナズナ Lepidium virginicum
明治の末期に北アメリカから帰化した、道ばたにふつうな越年草。茎は高さ20〜50cm、上部は分枝する。花はごく小さく、花期は5〜6月、葉には鋭い鋸歯がある。


タネツケバナ属 Cardamine
タネツケバナ Cardamine flexuosa
水田跡や道ばたにふつうな越年草。茎は下部から分枝して高さ10〜30cm。下部は通常暗紫色を帯びて短毛がある。葉には深い切れ込みがある、花期は3〜5月。

ミズタネツケバナ Cardamine flexuosa var. latifolia
茎は柔らかくて紫色を帯びない、葉の切れ込みによって生じた小葉の幅がタネツケバナよりも広い。

イヌガラシ属 Rorippa
イヌガラシ Rorippa indica
いたる所の道ばたや田の畦に生える多年草、茎は高さ30〜55cm、無毛で分枝する。花弁は黄色で、花期は4〜6月と「日本植物図鑑」にあるが、厳冬期を除く年中咲いている。