タデ科 Polygonaceae
花被片4〜6、雄しべ6〜9、花柱2〜3(子房1室)、しばしば穂状又は総状の花序をつくる。葉は互生、まれに対生。スイバ、イタドリは食用にもできるが酸味がある。そば粉の原料のソバ、藍染めに使うアイ、薬用のダイオウもこのタデ科の植物。ミゾソバという和名は溝に生えるソバの意味なのだろう。ままごと遊びの「あかまんま」はイヌタデの種子、「あおまんま」はギシギシの種子であるようだ。
ギシギシ属 Rumex
スイバ Rumex acetosa
道ばた、田畑の畦にふつうな多年草で、地下茎をもつ。雌雄異株で食べると酸味がある。茎は円柱形でしばしば赤みを帯びる、直立し高さ50〜80cmになる。根から出る葉(根出葉)は、群がってつき長い柄があるが、茎の中部の葉には柄がなく、基部は茎をだく。円錐花序をつける、花期は5〜8月。酸性土壌の指標植物であり、葉は欧米では好んで食べられる。

ギシギシ Rumex crispus
道ばた、田畑の畦に最もふつうな多年草。茎は直立し、高さ60〜100cm。葉は下部に群がってつき、長い柄があり、ふちは波打つ。花期は6〜8月。日本では古くは「シ」と呼び、根を薬用とした。

タデ属 Polygonum
ミチヤナギ Polygonum aviculare
道ばたにふつうな1年草。茎には多くの縦すじがあり、下部から分岐して斜め上に伸びる。高さ10〜40cm。花は葉腋から数個出る、花期は5〜10月。

イシミカワ Polygonum perfoliatum
無毛の多年草で、茎は長く伸びて分枝する。逆刺があって他の植物にからみついてのぼり、高さ1〜2mに達する。葉は三角形で、葉柄は長く逆刺がある。花は1〜2cmの穂状花序につき、花期は8〜10月。この写真は花期が終わったあとで、結実した姿。果実は光沢があり、深い青色や紅色を呈しとても美しい。

ミゾソバ Polygonum thunbergii
水辺や溝に多い1年草、茎は地を這い節から根を出す。上部は立ち上がり、高さ30〜70cmになり、まばらに逆刺がある。花は枝の先に頭状につく、花期は8〜10月。花弁は紅紫色で、下部は白色。

ヤナギタデ Polygonum hydropiper
水湿地に生える1年草、茎は無毛で直立して高さ40〜60cmになり分枝する。花はややまばらで穂状につく、花期は6〜11月。

イヌタデ Polygonum longisteum
田畑や道ばたなど、いたる所にふつうな1年草で、分枝が多い。茎の下部は地面につき、節から根を出す。上部は直立し、高さ20〜50cmになる。花は密な穂状につき、穂の長さ2〜4cm、花期は6〜10月。

イタドリ Polygonum caspidatum
いたる所の荒地、新しく崩れた崖などの陽当たりの良い場所に、きわめて普通な多年草、雌雄異株。地下茎はとこどどころで新苗を出す。よく肥えた場所から出る新苗は太く中空で、紅紫斑があってやわらかく、酸味があるが食べられる。大きな草体は高さ1.5mにも達する。花は葉腋から出る枝の先に円錐状につく、花期は7〜10月。これは雌株の結実時の写真。

ママコノシリヌグイ Polygonum senticosum
原野や水辺に多い1年草、全体に細毛がある。茎には逆刺があり、よく分岐して他の植物にからみつき、高さ1〜2mになる。葉は三角形または長三角形で、葉柄は長く逆刺がある。花はやや頭状に数個が枝の先に集まる、花期は5〜10月。

オオイヌタデ Polygonum lapathifollium
茎はよく分枝して節が太い、高さ120cmに達する。花は穂状で長さ7cmに達し先端は垂れさがる、花期は6〜10月
