バラ科 Rosaceae
草本又は木本、落葉又は常緑とさまざまな生活形をもつ。葉は通常互生、まれに対生して通常明らかな托葉がある(サクラの葉で顕著)。花は両性で、通常放射相称で5数からなる。雄しべは花弁の数の2〜4倍の数がある。心皮は多数〜1。およそ100属3,000種があり、世界に広く分布するが北半球の温帯に多い。温帯の果樹の主なものはバラ科に属する。
サクラ属 Purunus
ウメ Purunus mume
庭に栽培し、ときに野生化している落葉小高木、古くなるとしばしば「ウメノキゴケ」などの地衣類が着生する。
中国中部原産で、日本には西暦700年以前に伝来した。果実はシソの葉とともに塩漬けにして「梅干し」をつくる。花期は2〜3月。

モモ Purunus persica
畑に栽培する落葉小高木。中国北部原産、日本では縄文土器とともに化石が出土する。古代から果実をとるために栽培され、それが野生化している。花は4月の始め、果実は7〜8月に熟す。

ソメイヨシノ Purunus yedoensis
広く観賞用に栽培される落葉高木。オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、江戸時代にできたものである、江戸末期から観賞用に広がった。花は4月上旬、葉に先立って開く。

ビワ属 Eriobotrya
ビワ Eriobotrya japonica
山地の石灰岩地帯に野生化し、また果樹として庭に栽培する常緑小高木。西南日本の石灰岩地に野生状にあるものは、果皮がうすくて、食用にならない。中国では中南部で広く栽培し、日本へはよい品種が度々伝来した。花期は11〜12月。

シャリンバイ属 Raphiolepis
シャリンバイ Raphiolepis indica
暖地の海岸に生える常緑の低木又は小高木、しばしば庭に植えられる。花床は開花後に伸びて長楕円形になる、花期は5月。

バラ属 Rosa
ノイバラ Rosa multiflora
山野の河岸などにふつうなややつる性の落葉低木、葉は互生して奇数羽状複葉。花床は開花後に伸びて長楕円形になる、花期は5〜6月。北海道、本州、四国、九州、朝鮮に分布。

キイチゴ属 Rubus
ナワシロイチゴ Rubus parvifolius
山野の日当たりのよいところにふつうな落葉低木。花をつけない茎はつる状に伸びて、土をかぶれば根を出す。花期は5〜6月。北海道、本州、四国、九州、琉球、朝鮮、ベトナムに分布。

ニガイチゴ Ranunculus microphyllus
山野の荒地にややふつうな落葉低木。根は長く横走し、ところどころに新苗を生じる。花期は4〜5月。本州、四国、九州、中国に分布。

キンミズヒキ属 Agrimonia
キンミズヒキ Agrimonia pilosa
道ばたや野原に多い多年草、地下茎は太く丈夫。花柄の短い総状花序をつける、花期は7〜9月。

ヘビイチゴ属 Duchesnea
ヘビイチゴ Duchesnea indica/
道ばたに生える多年草。長く這う枝を出してふえる。花期は4〜6月。北海道、本州、四国、九州、中国、ベトナムに分布。

キジムシロ属 Potentilla
ミツバツチグリ Potentilla freyniana
日当たりのよい丘陵地に多い多年草。地下茎は短く肥厚し、花後地上に走出枝を出す、花期は4〜6月。北海道、本州、四国、九州、中国、朝鮮、アムールに分布。
