ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae

花弁は4〜5裂、雄しべ4又は2、雌しべ1(子房2室)、葉は対生又は輪生。ふつう上唇は2個、下唇は3個の花弁があるが、合弁花なので、基部は融合している。オオイヌノフグリではがく片と花弁は4裂、雄しべ2,雌しべ1で子房は2室であり、雄しべと花弁が融合する。この花を解剖すると、雄しべが2本しかないので「これでいいのですか?」と不安になって質問した生徒がいた。マメ科の実習で10本の雄しべを見たあとだった。花弁を外そうとすると、2本の雄しべも一緒に外れる。その下に子房ががく片とともに残る。アブラナ科やマメ科の花とともに分解して構造を相互に比較するとよい。

クワガタソウ属 Veronica

タチイヌノフグリ Veronica arvensis

道ばたや畑に普通の1年〜越年草、茎は直立し高さ10〜30cm、基部で分枝し細毛がある。葉は基部のものは対生し短い柄があるが、上部のものは互生。日本へ明治の初め頃に渡来した帰化植物、花期は5〜7月。


オオイヌノフグリ Veronica persica

道ばたにふつうな越年草で全体に軟毛がある、茎の下部は地上を這い長さ10〜35cm、花期は1〜6月。ユーラシア大陸・アフリカに分布する、日本へは明治初年頃から帰化した。


ムシクサ Veronica peregrina

田や川岸に普通な1年草、茎は毛がなく高さ5〜20cm、多くの枝が分枝する。花期は4〜5月、果実は虫えいとなり球形にふくらむことが多い。




ウリクサ属 Vandellia

アゼトウガラシ Vandellia angustifolia

水田や湿地に多い1年草で毛はない、茎は下部で分枝して高さ8〜25cm、花期は8〜10月。




サギゴケ属 Mazus

ムラサキサギゴケ Mazus miquelii

田の畦に多い多年草、茎は高さ5〜15cm、花期が終わると基部から長く這う走出枝を出す。まばらな総状花序を4〜5月につける。


トキワハゼ Mazus pumilus

庭や道ばたに普通な1年草、茎には毛があり高さは5〜15cm、走出枝を出さない。総状花序を4〜10月につける。




ウンラン属 Linaria

マツバウンラン Linaria canadensis

比較的近年に帰化した植物で、記載のない図鑑が多い。花期は4〜5月、茎の高さは50cmを越えることがある。