ナス科 Solanaceae
葉は互生して托葉はない、花は通常放射相称。がくは4〜6裂して開花後も残る、花冠は通常5裂、雄しべ5本は花冠裂片と互生して花筒につく、子房は2室、ときに3〜5室。食用のナス、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ピーマンはこのナス科の植物。タバコ、薬用のチョウセンアサガオ、観賞用のペチュニアもこのナス科の植物。クコの実は漢方薬としても使われる。主に熱帯から亜熱帯に分布する。
ナス属 Solanum
イヌホオズキ Solanum nigrum
畑や道ばたに生える高さ30〜60cmの1年草。茎の途中から枝を出し、白い花を4〜8個やや総状につける、花期は8〜10月。小さな実がなるが有毒である。観察していると厳冬期を除く年中花を咲かせているようだ。

アメリカイヌホオズキ Solanum americanum
北アメリカ原産の1年草で各地に帰化している。イヌホオズキに似ているが、茎が細くしばしば多く分枝し横に広がる。花期は7〜9月。開花した花が上を向いているのがこの種で、イヌホオズキの花は下向きに咲くことが観察していると分かる。

ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum
山地に生える多年草、全体に毛が多い。茎は細長くつる状で、昨年のつるから新枝を出すことがある、花期は8〜9月。

ナス Solanum melongea
ナス科の植物にはアルカロイドを含み、有毒なものが多い。ハシリドコロ・チョウセンアサガオ・イヌホオズキなど何れも有毒である。ジャガイモ・トマトは無毒で食用にされる、これは食用のナスの花。

クコ属 Lycium
クコ Lycium chinense
川の土手や溝のふちに生え、高さ1〜2mになる。茎は根本からそく生し、枝は弓状に曲がって垂れさがる。若い枝には稜があり、しばしば刺状の小枝がある。葉腋に1〜4個の紫色の花をそく生する。花期は8〜11月、実は橙紅色に熟して食べられる。
