セリ科 Apiaceae
葉は互生して多くは分裂する、花は小さく複散形花序につく。がく片は子房に融合して小さな5歯となる、花弁5,雄しべ5、雌しべ1、子房2室。陽当たりの良い草原に生育する。花火のように花柄を広げて、小さな5弁花をつけると記した方が分かりやすい。特有のいい香りをもつので、ミツバ、セリは食用にされ、ニンジン、セロリ、パセリは栽培される。DNA解析の結果キク科との類縁が示された。
ヤブジラミ属 Torilis
ヤブジラミTorilis japonica
道ばたにふつうな越年草、草体全体に短い剛毛があってざらつく。茎は高さ30〜70cm、葉は2〜3回羽状に分裂し、粗毛がある。花期は6〜7月と「日本植物図鑑」にあるが、近年の観察では、冬を除く年中咲いている。果実は長さ2.5〜4mmで、表面に密な曲がったとげをもち、これで衣服に付着する。

セリ属 Oenanthe
セリOenanthe japonica
湿地にふつうな多年草、細長い地下茎を出す。茎はやや這ってから立ち上がり、高さ20〜50cmになる。花期は7〜8月、葉の香りがよいので水田に栽培し、冬の蔬菜として食用にする。

シシウド属 Angelica
ノダケAngelica decursiva
丘陵や山林内にふつうな多年草、根は肥厚して茎は高さ80〜150cm、稜線があり上部でわずかに分枝する。花は通常暗紫色だが、この写真のような白色のものもある。花序は直径4〜10cm、花期は9〜11月。

ヤマゼリ属 Ostericum
ヤマゼリOstericum sieboldi
山の谷間に生える多年草、発芽した年は根出葉だけを出し、花をつけるとその株は枯れる。茎は中空で高さ50〜90cm、花期は7〜10月。
