日本発達心理学会で発表
 
2014年3月23日、
「日本発達心理学会 第25回大会」(於京都大学)で、
北野高校2年生の4人が、研究発表をしました。
これは、次のような趣旨で企画されたものです。
 
(大会委員長挨拶より)
本大会は、第25回という記念すべき大会であり、
また、本年7月1日に社団法人日本発達心理学会として生まれ変わってから初めての大会となります。
本大会のテーマは「発達する発達心理学―未来と創る」としました。「発達する発達心理学―未来と創る」ポスター
今日、高校と大学の連携のもとに行われる教育活動、すなわち高大連携の取り組みが行われるようになりました。
それに応じて、各種学会で、高校生に参加発表の機会を与え、次世代の人材育成に力を入れる新しい企画も多数みられるようになりました。
本大会でも、彼ら未来の世代にも発表の機会を提供し、ともに新しい発達心理学を築きあげていきたいと思います。
 
 
高校生発表は、時計台大ホールで「一般公開シンポジウム」として実施されました。
 
■発達心理学の未来―次世代との対話―
 企画:日本発達心理学会第25回大会実行委員会
 司会:板倉 昭二(京都大学大学院文学研究科)
 司会:明和 政子(京都大学大学院教育学研究科)
 話題提供者:京都市立堀川高等学校
 話題提供者:大府立北野高等学校
 話題提供者:京都府立洛北高等学校
 話題提供者:滋賀県立膳所高等学校 (発表順)
 
 指定討論者:内田 伸子(筑波大学)
 指定討論者:浅田  稔(大阪大学大学院工学研究科)
 指定討論者:吉川 左紀子(京都大学こころの未来研究センター)
 指定討論者:松沢 哲郎(京都大学霊長類研究所)
 
■各高校のテーマ
 北野:ロボットが人間らしい心をもつための条件とは?
 堀川:人間の心のはたらきの起源は?
 洛北:人間が幸福に育つための条件(環境)とは?
     →中高生において幸福な人間関係とは何か?
 膳所:他の動物とは異なる人間らしい心のはたらきとは何か?
 
 
 
昨年10月から取り組みを開始し、
京都大学教育学部、大阪大学工学部のみなさんの協力のもと、
研究を進めてきました。
 
(発表原稿より)
私たち北野高校は〈他者との共有〉をキ−ワードに「ロボットが人らしい心を持つための条件」について調べました。
人らしいロボットと聞いて、私たちが思い浮かべたのは「鉄腕アトム」でした。
アトムは、人を助けたり、喜んだり悲しんだりします。
アトムは、他者を心配したり、花に感動したりしています。
これらの映像や画像を見ると、アトムはロボットでありながら人らしい心を持っているように見えます。
そこで、アトムが人らしい心を持っているように見えるのはなぜだろうか?ということに私たちは興味を持ちました。
まず、私たちは『人らしい心の要素』について考えました。
心の存在は実際に目で見て確かめることはできません。
しかし、私たちは、
「見た目」「動き」「感情」「他者との相互作用(コミュニケーション)」などを通して他者に心を感じることができます。
「動き」には相手の行動がある目標に向かったものなのか、そうでないものなのかを区別する『目的指向性』、
目標があるかないかには関わらず、自ら行動しようとする『自己推進性』などが含まれます。
つまり、これらの要素があれば、人は他者が心を持っているように感じるのではないかと考えました。
この、見た目、動き、感情、他者との相互作用、の四点の中で、
私たちは特に、「他者との相互作用」、その中でも、意図や情動の共有を含むコミュニケーションの中に現れる心に着目しました。
 
……
 
『他者と意図を共有すること』『情動を持ち、それを他者と共有すること』が
人らしい心を持つ上で重要なのではないか。
このことを確かめるために、
ロボットが人間の動きにどう反応すると人らしく見えるのかについて調べる実験をおこないました。
 
実験計画、実験準備、実験実施、さらにデータの分析、考察、発表スライドの作成、発表練習と、
大学院生のみなさんにたいへんお世話になりました。
阪大にロボットの映像を撮影に行ったり、
京大に出かけて討論したり、
スカイプを使って、北野・阪大・京大中継ディスカッションを何度も行ったり、
当日の発表も含めて貴重な経験となりました。
 
さらに、今回の企画が、
本になって出版されることになっています(誠信書房)。


発表スライド