本日、ここに、大阪府立北淀高等学校閉校式を挙行するにあたり、大阪府教育委員会教育監、大阪府議会議員、大阪市会議員のご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
本校は、昭和38年4月、淀川の北、豊里の地に、地域のみなさまの強い要望と期待に応え、普通科の府立高校として開校いたしました。
開校当初はこの豊里の地も、レンコン畑や池が点在し、現在では想像のつかない自然にあふれた環境であったそうです。雨の日は学校までの道がぬかるみ、登校には長靴が必要であったとか、当初の体育の授業では、グランドの小石を拾ってから始めたとか、多くの苦労をしながらも、自分たちが新たな学校を、そしてその伝統を創っていくという喜びや使命感にあふれていたと卒業生の方が語っておられました。
この間、高度経済成長、都市部を中心とした高校生の急増など、学校を取り巻く環境や社会は大きく変化しました。本校におきましても、時代の変化に合わせ、生徒の興味関心に応えるため、専門コース「造形」や、生徒の学習理解と自尊感情を高める学校設定教科「教養」の設置、ユネスコスクールへの加盟による国際理解教育の充実、他の府立高校に先駆けたスクールソーシャルワーカーなどの外部専門人材の導入など、新たな取組みを積極的に実施し、教職員一丸となって指導・支援に取り組んでまいりました。
平成24年には、創立50周年を迎え、盛大な記念式典を挙行し、今後の本校のさらなる発展を象徴する素晴らしいものとなりました。しかし、平成28年に発表された「再編整備計画」により、平成30年度に本校は西淀川高校と統合され、「エンパワメントスクール」淀川清流高校に改編されることになりました。幸いなことに、新校は、本校の校地校舎を使うこととなりました。また、普通科から総合学科へと、学びのスタイルは変わりましたが、本校が開校以来大切にしてきた生徒一人ひとりに寄り添う教育は、しっかり淀川清流高校に引き継がれることとなりました。
創立以来、昭和から平成、そして令和へと輝かしい歴史を築き、18,000人を超える卒業生を送り出した伝統ある本校も本日をもって、その栄えある歴史の幕を下ろすこととなります。今日にいたる57年の長きにわたり、北淀高校を支え、ご理解とご協力を頂きましたすべての皆様、誠に有難うございました。深く感謝の意を表すとともに、北淀高校の伝統を引き継ぐ淀川清流高校に、今後も変わらぬご支援を賜りますことを心よりお願い申し上げ、閉校式の式辞といたします。
令和2年3月6日
大阪府立北淀高等学校長 無津呂 弘之