平成28年度 第1回学校協議会報告

 ○日 時:平成28年7月21日(木) 19時〜20時
  ○場 所:大阪府立高津高校 校長室
  ○出席者(敬称略、委員は50音順)
     委員 古郷 幹彦(大阪大学大学院歯学研究科教授)
      高尾 千秋(神戸大学発達科学部非常勤講師)
   竹村 伍郎(地域情報誌「うえまち」編集局長)
   中川 哲也(本校前PTA会長)
   前園 幸 (本校PTA会長)
    事務局 
    村田 徹(校長)上田 信雄(教頭)、石田 暁(事務長)
      伊勢田 佳典(首席)、山口 優(首席)、
      菅 康之(企画広報部長)、宮本 克比古(企画広報部・記録係)

【会議概要】
1.校長挨拶

2.学校からの説明
(1)「平成28年度学校経営計画及び学校評価」等について
      長期目標である「めざす学校像」をはじめ、基本的には平成27年度学校経営
   計画方針を踏襲、2年後に創立100周年を迎えるが、さらにその先までを見据
   えて、引き続き目標達成に向けて取り組む。

     *以下、項目と概要を列記する。

      ○「中期的目標」について
         平成27年度に掲げた中期目標については、平成27年度中にほぼ達成できたので、
         本年は多くの項目で「引き続き維持する」という表現になっている。ただし、
         以下の点については、やや不十分であったため、今後、さらに力を入れて取り組みたい。
      ・「年間の遅刻者総数」(H27:2,137件)
         平成29年度までに2,000件以下とし、維持する。
      ・教職員の育成
         今年度、新規採用教員(5人)に加えて、経験年数3年以下の教員を対象に、
         首席を中心とした本校独自の「初任者“層”研修」を実施している。インプットに偏りが
         ちな従来の内容も見直し、秋に職員会議でのプレゼンテーション機会を設定するなど、
         アウトプットする力の早期育成をめざしている。
      ・「学校の組織的運営」「校務の効率化及び情報共有」
         教員向け学校教育自己診断での肯定的評価においては、一定の向上が見られたが、さらなる
         向上をめざして、引き続き、昨年度立ち上げた「学力向上委員会」での検討を進めていく。
   
   ○「本年度の重点目標」について
   ・ 生徒たちが自らの状況を把握し、夏季休暇中の自学自習に取り組みやすくなるよう、今年度
     から前期第2中間考査(7月初旬)を実施することとした。今後、その影響、効果を追跡調
     査する。
   ・ 生徒の進路希望が叶えられるよう、さらに魅力的な授業展開に努めるとともに、生徒たちが、
     これからの時代に求められる知識、技能を、より効果的・効率的に身につけられるよう、観
     点別評価の導入を図る。
   ・ 今年度から、TOEFLiBTへの対応に焦点を当てたアドバンスト・イングリッシュコースを導入
     した。SETも配置され、順調に展開できている。
   ・ 学校教育自己診断におけるアンケートの項目には、例えば教育相談に関する質問のように、
     その機能を活用していない保護者には答えられないものがある。そのため、評価計算の際、
     「わからない」という回答は除くこととした。
   ・ 教員向け学校教育自己診断での「校務の効率化及び情報共有」に対する肯定的意見が目標値に
     達しなかった(H27:63%)ので、さらなる改善に努める。

(2)平成27年度 GLHS評価について
   ・ 教職員、生徒はもとより、保護者・同窓会の皆さんも含めて目標達成に向けて
     一丸となって取り組んでいただいた結果、6月に開かれたGLHS評価審議会
     において、多くの項目で昨年度を上回る高い評価を得ることができ、総合評価
     は「AA」(最高:AAA)、10段階評価でも「9」という高い評価をいただ
     いた。

(3)その他
  ○ 急速な情報化進展等に伴う、青少年を巡る懸念について
    SNS等が介在した青少年(には限らないが)による痛ましい事件等が増加している。
    程度や内容は異なるが、本校でも、SNS等には限らず、背景に「悪意や“思うところ”
    があって」というよりは、単純に、深く考えずに行った「幼く、マナーに反した言動」
    により生起した残念な事象も散見される。このような傾向について、その原因や対応を
    整理しておく必要を感じており、各委員の認識、お考え等をご教示いただきたい。

3.質疑応答、及びご意見
 
(1)「平成28年度学校経営計画及び学校評価」等について

 ・学校経営計画に基づく取組みは、中期目標・年度重点目標ともに、概ね順調に進ん
  でいるように感じる。
 ・学習については、高校生にもなれば、最終的にはやはり“自学自習”が大切になる
  ものであり、生徒たちが自らの状況を正しく把握できる機会を用意することが、高
  校の役割だろう。第2中間考査の導入は、そういう意味で決して生徒の自主性を阻
  害するものではないと考える。生徒の自学自習に効果的に結びつくよう工夫をしつ
  つ、計画的に進めていただきたい。
 ・「遅刻」に対する指導は、細かいことのように感じられるかもしれないが、社会人
  にもなれば、一度の遅刻が信頼を根こそぎ失うことにもつながりかねないことや、
  学校生活においても基本となることだと思うので、さらなる減少をめざして丁寧に
  進めてもらいたい。
 ・教職員の育成に関しては、素晴らしい先生方がおられることが、やはり学校教育の
  要だと思う。社会状況自体が急速に変化していく中、単にこれまでの前例踏襲的な
  インプットにとどまらず、経験の浅い先生方によるアウトプットを大切にしようと
  いう姿勢も評価できる。伝統の上に新しい息吹が吹き込まれる可能性もあり、結果
  に期待したい。

(2)平成27年度 GLHS評価について

 ・一般論として、「評価」の目的の一つは、良い意味で切磋琢磨を促すという面があ
  ると考えている。もちろん外部評価がすべてではないが、そういう意味では、他の
  似た環境の高校間での客観的・相対的な評価が向上していることは、素直に歓迎す
  ればよいだろう。
 ・評価の向上は、自習室の提供、土曜講習の全員参加、第2中間考査の導入など、この
  間の学校の前向きな取組みが、生徒の理解を得て、生徒自身の意識の向上につながっ
  ていることの表れだと捉えている。引き続き、生徒たち自身が高津の校訓・校是であ
  る“自由と創造”“日進日新”をさらに体現できるよう、一丸となって取り組んでも
  らいたい。 

(3)急速な情報化進展等に伴う、青少年を巡る懸念について
 
 ・昔の高津の生徒は、どちらかと言うと「背伸びをする」生徒が多かったように思う
  が、社会的風潮の変化の中で、子どもたちは物事を軽くとらえ過ぎ、精神的に幼い
  まま、年齢だけを重ねてしまっているように感じることもある。この幼さは、いわ
  ゆる「成績」とは、あまり関係がないようだ。
 ・今の高校生のマナーの悪さは高津生に限ったことではない。また、いわゆる学力と 
  マナーの間に相関はあまり見られず、どの高校でも問題になっているようだ。
 ・学区が撤廃され通学エリアが広がった影響か、遠くから通学している子どもにとっ
  て、学校が「なじみの薄いアウェイの地」になってはいないか。昔は地域性があっ
  て、一定の抑止力が働いたが、エリアの広がりとともに、生徒たちの規範意識のス
  タンダードが薄れているように感じる。地域に出かけて大人と接する体験を増やし、
  注意してくれる大人がいることで、子どもたちも成長できるのではないか。
 ・地域との繋がりの希薄さに加えて、中学校からの知り合いが少なく集団がうまく形
  成されていないのかもしれない。(本年度の1年生は、府内150〜60中学校から入
  学)集団がうまく形成されていれば、友人の問題行動を批判することもできるが、
  集団がうまく形成されていないと、表面的な付き合いにとどまり、深く関わらない
  で過ぎてしまうこともある。
 ・SNSについては、(例え、好ましくない内容であっても)「注目を浴びるコメント
  等を載せることで、ヒーローになれる」という価値観を持っている子どもも少なく
  ないと聞く。身近に不適切な内容を載せている子がいても、注意するのでなくスル
  ーしてしまう。「おもしろいやん」と返す子さえ何人かいるのが現状で、現実の問
  題としては、人間関係が薄い中では注意するのは難しいのかもしれない。
 ・「悪ふざけの範囲内」という甘えがあるのかもしれないが、未成年であっても、犯
  罪は犯罪であり、小さなことからきっちりと説明・指導してあげることが必要だ。
  友人が不適切な行動をとったとき、馴れ合いの関係だと反論することができないし、
  今の子どもたちは、その術も知らないことが多い。問題が起きた時にクラス内で話
  し合うなど、ディスカッションの機会を持つことも大切だろう。
 ・校則を明文化して守らせるのではなく、生徒の自主性にまかせていることも、高津
  高校の特長の一つだと捉えている。明文化された校則がないと 指導しにくい場面
  もあるだろうが、一人ひとりの教職員が、子どもたちの不適切な 言動について見
  逃すことなく、各々の立場から適切な指導を行うことが不可欠だ。
  もちろん、教職員の皆さんには、常に取り組んでいただいており「釈迦に説法」だ
  と思うが、単に「物分かりの良い教師」というだけでなく、時間はかかるが「校則
  を明文化して守らせることをしないことの意味」を、引き続きしっかりと生徒に伝
  えてもらいたい。

今後の日程(予定)

 第2回 平成28年12月下旬
 第3回 平成29年3月下旬