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スーパーサイエンスハイスクール

東京方面SSツアー (7月29日〜30日)

 日本の最先端技術を担う施設を訪問しました。SSH生徒はもともと科学に対する関心が高い生徒ですが、このツアーでの体験が一層科学に対する興味をかき立て、科学が全地球的・未来志向的な諸課題の解決にどれほど寄与しているのかを体感したようです。

 参加生徒は1年生38名。1泊2日の日程で次の5つの施設を訪問見学しました。
 (1)日本科学未来館
 (2)東京大学本郷キャンパス
 (3)筑波宇宙センター
 (4)産業技術総合研究所 サイエンス・スクエア つくば
 (5)地質標本館

(1)日本科学未来館

 最初に館のスタッフから、見学の仕方、プレゼンテーションの方法等についてガイダンスを受けました。
 生徒は4人ずつの班に分かれ、各々が異なった展示フロアから担当する展示を一つ選び、解説をしてくれる科学コミュニケーターとの対話を通して、展示への理解を深めました。それらの内容はークシートに記入しました。
 班全員のワークシートが完成したらプレゼンテーションを行います。各自が班の他の3名を展示の前にエスコートし、1人約5分間のプレゼンテーションをしました。その際、発表の良い点を見つけることを心がけながら相互評価を行いました。
 プレゼンテーション終了後全員で、演示実験、サイエンスミニトーク、Geo Cosmosを見学しました。

科学未来館

科学未来館 科学未来館

 最先端の科学技術に触れる事で生徒は大いに知的刺激を受けたようです。自分が人類や地球の未来を担っているとの自覚を強くした生徒も多く、今回のツアーの目的にふさわしい研修でした。
 科学コミュニケーターと「対話」し新たな疑問を発見し解決していくというスタイルや初めて取り組んだ「プレゼンテーション」は、主体的に学ぶことや人に伝える事の大切さを実感させるよい機会となりました。
 昼食も含めて約3時間の見学でしたが、充実した展示を体験するにはもう少し時間が欲しいところでした。

生徒の感想
・科学というものは実に多岐に渡る分野があり、それらが私たちの生活をよりよくしていっているということを知った。アイデア一つで多様に影響を及ぼしていくので、私も何か自分にできることをしていきたい。
・Geo Cosmosはよくあんなものを作ったなぁという感動と、地球温暖化については100年前と今で温度を表す色がとても変わっていることに他人事ではないということを実感させられた。これは未来を担う自分たちに課された宿題のようなものだと思う。

(2)東京大学本郷キャンパス

研究室訪問  田中 知 教授
(東京大学大学院工学系研究科 システム量子工学専攻)

 田中教授より、東京大学について、理系の面白さ等の話があり、「地球、世界、人類を救う人材となれ」という激励を頂きました。2名の大学院生からは、現在取り組んでいる研究について紹介があり、その後、教授の研究室を実際に見せて頂きました。

東京大学 東京大学

ほとんどの生徒は大学のキャンパスに入るのが初めてで、大学の雰囲気を知ったことは進路を考える上でよい体験になったようです。

生徒の感想
・大学の研究はまだ分かっていないものを自分で開拓するという事が分かって、それはおもしろそうだと思った。自分が大学に入るのが少し楽しみになった。
・(院生の)講義の内容はあまり意味が分からなかったけれど、頑張って将来は理解できるようになりたい。いい環境、いい設備、いい先生、でも最後はそれを生かせる自分のやる気と根気が大切だと思いました。

(3)筑波宇宙センター

 「一般見学ツアー」コースで展示室、宇宙ステーション試験棟、宇宙飛行士養成棟・無重量環境試験棟を見学。バスで各施設をまわり説明を受けました。本物の宇宙服やロケットエンジンの内部、実際に使用中の低圧環境・閉鎖環境訓練施設を見ることができ、本物に触れる感動を味わうことができました。

筑波宇宙センター 筑波宇宙センター 筑波宇宙センター 筑波宇宙センター

 SSツアーの参加者には、宇宙に関心の深い生徒も多くいます。宇宙の映像はテレビ等でもよく放映されますが、実物の持つ迫力は何物にも代え難く、それに触れることができ、驚きと興味を喚起することが出来る見学ツアーでした。

生徒の感想
・まず最初に筑波宇宙センターの大きさに驚いた。敷地内をバスで移動するほどの大きさの施設を訪れたのは初めてのことであった。最も驚いたことは耐熱材の人工衛星への接着方法である。身近にありはずすのに便利であるという理由で開発されたマジックテープであったのは心からすごいと思った。地上と宇宙の違いを実感することができた。
・土井さんの出演されているビデオや、実際に訓練で使用されたレプリカなどが身近に見られてとてもよかったです。しかも今も実際に使用されていると聞いて、とても嬉しかったです。・・今回の経験を元に、これからJAXAで働くという未来の選択肢がより強くなりました。

(4)産業技術総合研究所 サイエンス・スクエア つくば

 約1時間、館内を自由見学しました。最先端の研究開発に関する展示と充実した体験コーナーで、ロボットやハイパーミラーなどの先端技術を自分で体験することができました。

生徒の感想
・展示物を目を輝かせながら観たり撮ったり体験したりした。実に面白かった。
・科学の勉強は、やっぱりこういう所に来て、自分のしている勉強がどういうものにつながっていくのか知っている方が楽しいと思います。
・魅力的なハードディスクの光だとか、赤外線を利用していたと思しきあの音声ガイド だとか、心沸き立つ展示がたくさんあって、ものすごく楽しかった。

(5)地質標本館

 サイエンス・スクエアつくばと同じ敷地内にある施設です。二つのグループに分かれて、研究者の方から説明を受けながら見学しました。

地質標本館 地質標本館

 専門家による解説はわかりやすく、かつ深い内容であり、生徒達に地球の歴史について考えさせる示唆に富んだ見学ができました。

生徒の感想
・日本は地震や噴火がとても多いということを改めて実感した。・・地学を勉強することは大切だと考えるようになった。
・恐竜の足跡のレプリカや糞の化石など、触っていいものがたくさんあっておもしろかった。