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スーパーサイエンスハイスクール

「人と自然の博物館」訪問(1月9日)

 1年生のSSH選択生徒が兵庫県三田市にある兵庫県立「人と自然の博物館」を訪問、見学しました。午前中は「恐竜ラボ」を見学して、化石の発掘作業の詳しい手順や地質年代の測定方法などについて学習しました。また研究スタッフが実際に行っている化石のクリーニング作業を見学させていただきました。
 そのあと、館内のセミナー室で博物館職員から、現在の丹波山系での恐竜化石の発掘がどのような学問的意義をもっているかについて講習を受けました。

 午後からは科学セミナー。それぞれの希望に応じてA班・B班の2つの班に分かれて、博物館研究員に実習の指導を受けるというものです。A班は古谷裕先生の「古代デボン紀の放散虫に見る生物進化」。生徒19名参加。B班は黒田有寿茂先生の「葉っぱで見分ける身近な樹木」。生徒17名参加しました。  

人と自然の博物館人と自然の博物館

生徒の感想
 化石の研究が、少数の学者だけで行われているのではなくて、多数のスタッフの人たちの共同作業で成り立っていることを初めて知りました。岩石の中から化石を取り出すクリーニング作業が、一つの標本をつくるのに40時間もかかるということに驚きました。クリーニング作業は相当な集中力を必要とする作業だと思いますが、スタッフの人たちが黙々と真剣に取り組んでいる様子を見て、大きな研究成果を挙げるためには、ものすごい根気と体力が必要なのだということがわかりました。これから自分でSSHの課題研究を行ううえでの心構えとしたいと思います。

 午後からのセミナーで、非常に小さい放散虫の微化石を、双眼顕微鏡を覗きながら一つ一つ取り出してプレパラートをつくる作業は、思った以上に眼が疲れてしまい、体力を消耗する作業でした。研究とは「地道な作業の積み重ね」だということを実感できました。A班の中をさらに小さく5つの班に分けて、それぞれ別々の放散虫を調べながら、最後にはお互いの成果を照らし合わせて、生物の進化の過程を知ることができたのは「すごい」と思いました。今後のSSHの課題研究でも、共同で研究する班員どうしで、お互いに協力しあったり、励まし合ったりすることがとても大切だと思いました。課題研究を始める前に博物館に来られてよかったと思います。