第一回学校協議会の報告詳細
@校長より挨拶
・いわゆる評議制度とはニュアンスは異なりますが、学校の情報を可能な限り全てお知らせし実情を知っていただく機会として位置づけています。その共通認識に立って本校に関連深い方々から、忌憚のないご意見、疑問、提言をお願いします。それらを通して私たち教職員が学校教育のあり方を見直す貴重な契機にしたいと考えています。子どもたちの教育の充実に大きな力となりますようご協力をお願いします。
・障害児学校では、個々のニーズに応じた指導内容の充実をどうしていくかが大きな問題です。もうひとつは、「関係機関との連携」が課題です。言うのは簡単ですが、実際には大変難しい問題です。
一人ひとりの児童生徒に応じた教育をするには、指導の専門性、自立活動という独特の指導領域のあり方、そして、本人の自立に向けた生きる力やコミュニケーション力の育成が求められています。
・開かれた学校にするためには、「学校施設開放」をしたり、「情報開放」を進めていく必要があります。学校には、多くの情報がありますが、その情報が保護者にあまり届いていません。また学校の「心理的開放」「学校運営開放」を進めることによって、入りにくいと思われている学校を親しみやすく、保護者も参加できる学校でありたいと思っています。
・養護学校の地域性をどう高めていくかは大きな課題だと思います。学校には現在地域への十分な支援連携のための組織がありません。
・本校に在籍する児童生徒に行っている交流教育は限界があります。また、五日制も実施されていますが、放課後や長期休業中の活動もほとんど実施されておらず、また豊かに地域で活動出来る場がありません。
遠慮なく話し合うことから、方向性と課題が自ずと見えてくると思います。私たち教職員一同が一致し力を合わせて、本校の教育の充実に取り組んでいきたいと思っています。
A自己紹介(所属紹介)・学校紹介ビデオ放映
B各委員の意見(提言)
布留川 正博氏
教育の現場は、かなり閉鎖的な感じがする。一生懸命していただいているが保護者にはわかりにくいことがある。改善すべきことが多いと思う。外部より見ていろんな課題を解決していけたらと思う。大学教員として在職しているが、大学でも授業評価等外部評価を受けながら内部努力を促す方向である。
息子は高3年でお世話になっている。知的障害者のためにいろいろな活動をしている。
一つ目の課題は、個別指導プログラムの充実である。個別教育プログラム(IEP)を米英では実施している。子どもを連れてイギリスへ滞在した時、IEPを体験したが大変対応がよかった。外国人に対しても対応が早い。子どもの状況をテストで把握し(いろんな専門家が把握)、親が希望を伝える。(行政、学校、親が連携をとっている。)数ヶ月間、スペシャルスクールで実践。そして、評価、報告書が学校と行政から出される。親が不服を申し立てることが出来る。成長段階を把握して系統的に行われている。本校でも始まっているが、不充分である。養護学校だけでなく小中高でもやれたらと思う。
二つ目は、就職をどうすすめていくか。自立させて就職につなげることを親としては希望しているが、学校だけでは難しい。いろんなネットワークを使って(企業の協力、行政の協力など)外部にお願いすることが必要だと思う。企業は、まだ障害者のことよくわかっていない。進路に関するネットワークつくりが出来ないか。
上野 葉子氏
娘は小学部2年生。これからの学校を良くすることに関われたらと思って、協議会の委員に立候補した。外部の評価をどのように聞いてそれを契機にこの学校がどう変わっていくのか、気になっている。いろんな学習会に参加しているが、そこで感じたことをこの会議で生かせたらと思う。子どもは寝たきりの状態でペースト食を食べている。小学部から養護学校卒後のことを考えながら施設等の見学をしている。
学校も情報を充分流して、サポートしてほしい。
居住地校交流を小1からしている。地域の子どもたちにも名前を覚えてもらえたかな、と思っている。一年間やってみてよく交流していると思う。今年から箕面養護も居住地校交流に関わっていくといわれているが、どのように関わるのか知りたい。学校内部のことを外部に発信できる立場かなと考えている。
学校協議会で意見交換出来たらと思う。
佐藤 明氏(高野氏)
20年間、日本マクドナルドに所属。その後、フランチャイジーに。
現在5店舗所有。養護学校との交流のきっかけは、SSOK店に買い物学習に来ていた箕面養護学校の引率教師に声かけしたところから始まる。
初めて実習を受け入れた時は、5人のスタッフを配置した。また、実習のときには、教諭と電子メールで連絡をとりあいながらすすめていった。教諭からは、いろいろな障害者についての資料をいただいた。今では、スタッフ一人で対応出来るようになった。アルバイトスタッフもサポートができるようになっている。
箕面養護学校と交流していく中でマクドナルドのキャラクター「ドナルドくん」も箕面養護学校に呼ばれるようになった。
3団体で障害者を考える会を発足。障害者の就労について論議を深めている。現在は、「障害者の就労・生活を語る会」に名称変更し、18団体が参加している。
2つの養護学校からアルバイト雇用を依頼され、取り組む。依頼された人の中には、SSOK店でアルバイトをしていて他の事業所に就職した人もいる。在校生についてもアルバイト雇用している。その際、企業、学校、親が生徒を中心にしてきれいなトライアングルになるようにすすめていく事が大切だと思う。
今まで、実習やアルバイト雇用して思うことは、保護者が過大評価することが多いということです。SSOK店で総合学習の一環として買い物体験学習をしていただいた。
また、店長が手話の本を見ていたことがきっかけで手話講座をするようになり、その取り組みが全国に公表された。
東豊中店では、INA職業支援センターの園芸科の訓練生に花の管理をしていただいている。訓練生が育てた花を箕面養護学校の生徒が作成した鉢に植えるという交流会も東豊中店で実施した。
ハンバーガー大学で研修をしたことがきっかけで昨年の8月には、日本マクドナルド関西地区本部で教師のための2日間の研修日をとっていただいた。40名が参加。盲・聾・養護学校長会もバックアップしていただいた。
3年間、実習生、アルバイト雇用を実施して思うことは、マクドナルドが好きであること、身辺自立が出来ていることなどであるが、社会的ルールに従えない人については、実習やアルバイト雇用は難しい。今まで27名の障害者を実習、アルバイト雇用してきたが4名ほど難しい人がいた。
日本マクドナルドに就職している障害者の長期定着化を進めることが必要。そのために教師の力が必要。12月には、浜松で講演予定。
木津 ひとみ氏
企業との連携は参考になった。
「あいほうぷ」は重度の障害を持つ人が通所している施設です。看護師3名,PT、OTがいる。てんかんの方が多い。医療的ケアを必要とする方については、1対1で対応。
教師の一部を専門職(リハビリスタッフ等)に入れ替えできないか?システム化を考えてほしい。
小、中、高の特徴が違うようだが資料では、どういう連携をしているのか状況が見えない。発達の視点でどう繋がっているのかを伝えて欲しい。障害の状況がそれぞれ違うので、個別の支援を大事にしながら集団での指導も大切にしている。個別の支援プログラム作成を進めているが、施設にとっても大変な作業である。
校長ーリハビリスタッフの件だが今年初めて看護師が2人入った。配置を検討しはじめてから、5年経っている。教職員定 数の中で配置している。リハビリスタッフについては、巡回するなど検討が必要でもう少し時間がかかるだろう。発達の視点で どうつながっているかということについては、まだ小中高等部の組織的連携も十分でない。
山本 研峯氏
小中高と一貫していると言われているのにどうして年令によって分けてしまうのか?再検討をしてほしい。個別指導プログラムでいけば、そういう区分けは必要ないのではと疑問に思う。
今までは、来る人だけを受け入れ対応してきた。
小中学校に在籍する障害児のことについて保護者、学校、われわれスタッフが連携して専門的に考える必要がある。我々の療育のノウハウを、一般教育の場に提供していくことが必要である。地域交流は理屈ではない。出向いていかないと問題点がわからない。
先生方が地域へ出かけることが大切。決して拒まれることはないと思う。
必要とされる児童生徒がいる所に我々が行かなければと思う。
雪田 樹理氏
養護学校をよく知らないので、問題点を押さえていないが、個別の生徒のニーズに応じた教育をどうしていくのか。学習権、発達の保障の問題として重要である。英国では援助が必要な子どもに1〜5段階で行政がサービスをしている。日本でももう少し工夫出来ないだろうか。
言うまでもないが、教える側の教師と教えられる側の生徒の力関係は対等ではない。
教師は加害者としての認識がない。人権侵害が起こりうる可能性は充分ある。 教師の何気ない言動が子どもの人権侵害になっている場合がある。どう予防するかとの観点から点検作業がぜひ必要ではないか。
大人は子どもの状況を理解できない場合がある。子どもの心の異変にどう気付くのか。小さな態度の変化、言葉をとらえて動くことが大切であるし、すぐ保護者と連絡。問題があるなら関係機関と連携してほしい。改善にどうつなげていくか、取り組みへのキーパーソンが必要である。学校の中でソーシャルワーク的な役割の人物が必要だろう。
甫喜本 光氏
平成9年に母子保健法で保健業務の一部が市町村に移行した。乳幼児検診として市は、就学前までしか関われない。保健所は、長期療育児の医療相談、未熟児対応、巡回指導をしている(18才未満までの相談機能はある)。生後1〜2ヶ月で退院するが何らかの障害がある。そのフォローをしている。子ども家庭センターと連携しながら医療的な分野をケアしている。病院から連絡があれば動けるが、情報が限られている。連携していかなければ保健所だけではとりくめない。現在のシステムのまずさもある。
内藤 正敏氏
病院と養護学校の関係で何ができるのか、考えて行きたい。
「障害」ということばは嫌いである。「障害者」という言葉はあまり使いたくない。病院では24時間救急も受け入れているし、大きな社会資源のひとつとして受けとめてもらえばよい。養護学校の生徒を常に受け入れ対応できるように、努力している。印象として、みなさんが未消化の状態で苦しんでおられる感じがした。デンマークの実態を紹介したい。
デンマークでは、国、数、歴史を重視している。これに加えて自己判断(自分がどう生きていくか)が出来れば、養護教育を終了する。10年でも11年でも良いことになっている。
仕事にしても、国がサポートして障害者でも普通の賃金をもらっている。そのための費用を所得税50%、消費税25%で全てをまかなっている。これくらいのことなら、今の日本でもみんなが納得出来るのではないか。ただ、日本では行政の壁が厚いと感じる経験を私もしたことがある。
佐藤氏-我が社は、障害者であっても一般の人と同じ賃金です。
小西 美恵氏
あかつき福祉会はあかつき園とワークセンターささゆりからなり、グループホーム、デイサービスを行っている。箕面養護学校出身の利用者が多い。3月に来園してもらって面接するが、学校での資料や記録がきっちり残っていればスムーズに移行出来ると思うのでお願いしたい。
土日や長期休暇中に、ショートステイ利用者が多い。しかし、本人にとってどうなのか? 本人のニーズと違うと思うこともある。学校でも何とか土日や長期休業中の対策を立ててほしい。
岸本 泰幸氏
子ども家庭センターに30年近く在籍している。養護学校では、@人間性の豊かさが社会参加のキーワードA教育の中でこそ育つB大切なものが育つべき時に育てていないのではないか。ということを知ってほしい。4ヶ月、6ヶ月で早期発見された障害児の親は、訓練に熱中しすぎて乳児のとき育まなければならない何かが欠けていないかと思うことが多い。
学校の中であまり取り上げられていないのではないかと思うこと。1.友人が必要 2.コミュニケーション 3.心を育てること。思春期に友人つくりを。言葉で表現できなくても内言語が育てられたら安定する。3〜4歳からおとぎ話を聞かせ夢を広げる。学校教育でも育ててほしい。訓練優先のあり方に疑問を感じている。心の発達を大事にしたい。もうひとつ、情緒や感情面で生徒たちをただ幼稚化してみているだけではないかと感じる。
学校でも青年(障害者)に幼児ことばで話しかける人がいるが考えていただきたい。
山本氏
養護学校に期待したいこと。
ハンディキャップに対する情報提供、リーダーシップのある学校になってほしい。
地域の学校と同じならここへ来る意味がない。専門性を持っているところであってほしい。
個別プログラムが学校内で終わったら、地域で生きて来ない。地域で生かされるようにしてほしい。
木津氏
普通学校から養護学校に進学した人と養護学校出身の人では、どこか違うのではないか。
子どもにあった教育を受けられる点は評価出来るが否定的な考えの人たちもいると聞いている。
養護学校の役割や良さを外に発信してほしい。
会長(佐藤氏)のまとめ
・時間がないので非常につらい。
・問題点をしぼっていく。論点をしぼる。
・(箕面養護学校)HPの内容は全て何度も目を通して、これをすべてやればよいのではないかと思う。
・記録を整理して、審議内容を事前に知らせてほしい。
・会長と事務局と相談してほしい。
校長のまとめ
いろんな提案をいただいた。ありがとうございました。本日の提案をまとめて、しぼって行きます。
次回の前に整理して、それを提示します。
雪田弁護士が指摘されたように、我々教職員が意識せずにしてしまっている人権侵害はないか、
見直しは重要であると考えます。また、子どもの対応に関して、感情面で幼稚な存在と見ているとの指摘も衝撃的でした。知らず知らずにしている教育のあり方そのものを考える必要があると思います。
本日は非常に充実した話し合いの2時間でした。有り難うございました。
次回の会議 11月ごろ