| 大阪府立箕面養護学校第3回学校協議会について(報告) |
第3回学校協議会が平成16年3月5日(金)、本校応接室で開催されました。遅くなりましたが、議事内容をご報告します。今回は、今年度最後の学校協議会ということもあり、各委員の皆様から貴重なご提言をいただきました。今年度は、提言いただいた内容をどう具体化していくのかが大きな課題と考えます。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしています。
1 日時 平成16年3月5日(金)13時〜16時
2 場所 本校応接室
3 出席 ・ 内藤 正敏さん(箕面市立病院副院長)
・甫喜本 光さん(大阪府豊中保健所総括担当)
・山本 研峯さん(地域療育等支援コーディネーター)
・岸本 泰幸さん(大阪府池田子ども家庭センター次長)
・佐藤 明さん((株)ベルエポック社 社長)
・小西 美恵さん(箕面市立あかつき園園長補佐)
・雪田 樹理さん(弁護士)
・木津 ひとみさん(あいほうぷ吹田施設長)
・布留川 正博さん(保護者代表)
・上野 葉子さん(保護者代表)
・本校職員
(竹内校長、高原教頭、大角教頭、阪口事務長、山口教務主任、宇津木小学部主事
鳴戸中学部主事、二口高等部主事、伊東進路指導主事)
・ オブザーバー参加
山脇さん(PTA会長)
4 司会:高原教頭 記録:山口教務主任・二口高等部主事
<議事内容>
学校長挨拶
日程説明
1.進路について
学校教育計画に基づいて伊東教諭より説明
・進路状況
・年間計画
・進路決定の流れ
・現場実習の評価表
・卒業後の支援
・アフターケア
布留川さんよりシンポジューム報告
アンケートでは「満足」が大半を占めている。
佐藤会長より補足
おおむね満足いただいたが、質疑応答の時間が短いことにはやや不満足があった。
企業の「育てる姿勢」に対して大方の賛同が得られた。感動された保護者の姿もあった。
考えていたほどには人が集まらなかったことを考えてみたい。一つにはPR不足があるが、
保護者、とりわけ教員の参加が少なかったことが大きい。
質問・箕面養護の就職者数は?
応答・過去には「知的障害」の生徒さんが多かったが現在は少なくなっている。就職者数も多かったが10年後の彼らの状況は、親の高齢化や離職した場合の再就職の険しさなど厳しいものがある。現在の就職者は毎年1、2名であり、医療的ケアの必要な人が増えると共に重度重複化している。今年度は一人が事業団に就職、もう一人はヘルパー会社にアルバイト雇用として採用される予定。ヘルパー2級免許を取得すれば、正式に採用すると言われている。
質問・就職者の追跡調査についてはどうなっているか?
応答・本人と直接会うことが前提だが、「語る会」などのネットワークを利用して情報を得るようにも努めている。最近はインターネットを通して情報が入ってくることもある。
2.地域支援と余暇について
小西委員
・余暇は大事だが後回しになり勝ち。活動が中心になり帰宅後の時間に目が向きにくい。今後は個別の余暇を支援する方向が必要で、1対1の本人のニーズに合わせた取組みも始めている。課題は支援者を増やしていくことであり、職員だけでは無理がある。ガイドヘルパーを育てていく役目も大切。
木津委員
・支援費制度になって居宅支援の選択肢が広がってよかった。ガイドヘルパーをうまく利用して外出するなどの意識が出来てきている。家族以外の人と出かけることで本人の意思表示の力がついてくることもあり、母親以外の人とも安心して出かけられるようになったことから母親の意識も広がってきている。1対2のグループホーム配置も考えている。障害の重い人もグループホームで生活しているが、医療的ケアを必要としている人に対する制限のハードルは高い。課題としては、具体的に見えてこない要求をどう把握するかや、逆に要求が広がりすぎる点などがある。
上野委員
・居宅介護では週1回入浴介護を受けている。学校のあとショートステイはきつい。また休みの日は集中するので取りたいときに取れない現実がある。18歳未満の子は担当者が一人しかつかず、担当者が慣れていないのでヘルパーもこわごわやっている面もある。相談できるところがなかなかなくて、結局助けを求める先は学校ということになる。親だけでやりきるには無理がある。親の意識も変えなくてはいけないが、とりあえずは学校が長期休業中のすごし方を提示してもらえればありがたい。地域の子ども会に今年入ったが、旅行等でも車椅子の参加が無理な場合も多い。居住地校交流が今年度から学校として実施されることになったが、去年に比べると後退したかなと思う面もある。しかし声かけしてくれる子が増えてよかったと思っている。余暇だけでなく生活全体を考えると、訓練とかが日常的に入ってくるのでなかなか難しいものがある。
岸本委員
・余暇をどう使いこなすかは大きな課題であり、地域の仕組みづくりができないか考えている。就学猶予や免除があった時代は、学生がもっとボランティア活動に参加していた。ボランティアグループ育成の具体的取組が必要。夏休み中の取組で、親の会のサポートに教員がつくなど一歩踏み出した取組はできないだろうか。
3.関係機関の連携について
内藤委員
・養護学校の校区はかなり広いので、大切なのは何かあったときにすぐに相談できるかかりつけのドクターとなじみになっておくこと、24時間対応の救急がある子どものことをよく知ってくれている病院を持っておくこと、要するに医学的関係を持っておくことが大切だが、学校に一番近いのは多分私のいる箕面市立病院なのでいつでもお越しくださればよい。先生方がもっと病院を利用してくださればよい。
佐藤会長
・その場合救急車で行くほうがよいのか、タクシーで行ってもよいのでしょうか。
内藤委員
・どちらでも結構だが、学校を出るときに一報いただければ対応できる。
学校長
・本校の子どもの情報は箕面市の救急隊員も把握してくれている。
内藤委員
・余暇といっても、集団的な余暇もあれば個別な余暇もある。子どもたちにとって余暇とはどういう意味を持っているのか、何か準備が必要なのか、子ども自身がある程度やりたいことがやれて母親が楽になればよいのか。TVゲームの相手や車椅子での散歩、キャッチボールなど個別の余暇は大それた事を考える必要ないのではないか。学童保育などうまく使えないのか。母親の余暇も考えておいてあげないといけないのではないか。
甫喜本委員
・老人の場合でもイベント等があれば毎日を豊かに過ごせている。個人レベルの余暇も大切。人として生きていくうえで何が大切か、健康づくり、食べたり(食育)何かをすることなど。一人一人のケースを通じてもっともっと連携していかなければならないのにそれができていない。何かしようとする時に、どのような社会的資源があるか明確になればいいと思う。保健所でも専門家ばかりで、もっと細かいところまで見ていくことが抜けているような気がする。
雪田委員
・学校に手っ取り早く頼れるセンター的機能があればよい。専門家をどう利用していくかの情報を集めて、連携機関マップ的な物を学校が構築しておくべき。ニーズがあったときにすぐに応えて紹介できるような、どこにどのようなヘルプを頼めばよいか保護者にも開かれたものであればよい。
布留川委員
・自分自身が会合に出るとき子どもも連れて行くようにしている。土日は忙しい。平日は4時半に帰っても机に向かって何か書いている。たまにプールに連れて行ったりしているが、平日の夕方からが何とかならないかと思う。地域で軽く遊べる場所がほしい。最近同年代とは遊ばなくなってきた。日常的に、自然発生的な遊びができていない。ボランティアグループの話があったが、いいアイディアかなと思った。大学生のサークルなどと連携しあっていくのもよいかなと。
木津委員
・箕面の母親有志が夏休みの夕方に障害者との交流(利用者と子供が一緒にすごす)を3日間実施し
ている。夏休みは長いのでそんなことも考えてみればどうだろうか。公的機関が多機能型を目指すようになってきている。学校などもそのような検討が必要ではないか。高齢者も障害者も集まれるような、土日は自由に使えるような場の提供を。
休憩(この間授業見学など)
再開
4.委員のみなさまからのご提言
甫喜本委員
・学校からの地域との連携報告の図の中で、保健所として身体障害児の相談が入っているが現実にはなかなか関われない。学校との個別の連携が欠かせない。特に昨今は虐待の問題についても大きく報道されており、ともに考えていく必要がある。相互に理解し合えるもう少し突っ込んだものが必要。性の問題等保健所でできるメニューを作業所や親の会へ出前することなども考えている。18歳までは保健所のエリアであることも伝えておきたい。どこまで連携していけるか難しいが、保健所もともに相談を担っていくのだということも知っていただきたい。
布留川委員
・途中ですが学校協議会は今回で終了なのですか?来年度も続けていくのでしょうか?
学校長
・とても1年では消化できません。来年度も引き続きぜひお願いしたい。
内藤委員
・初回に申し上げたように「障害者」という言葉自体好きではありません。「特別なヒト」という差別的・区別的な意味合いが含まれているのでは…。学校の「多機能化」について言えば、収容所化になってはいけない。生徒は独立した個人であり、社会で生活する人である。故に学校にすべてを求めてはいけないと思う。家庭がどこか(特に学校)に丸投げするのは良くないと考える。情報はたくさんあるが、学校に集めるだけでは意味がない。子ども・保護者に共有されてこそ意味がある。公開することも重要だ。外部からの援助者も情報が公開されていないと引いてしまう。どのように共有し公開するか、考えていくべきだ。障害者雇用促進法とは別に、先進的企業が他の企業にどう働きかけていくかも大きな課題だ。人的な資源をもっと活用すべきだ。学校とは何か、私的には社会性・集団性を身につける場だと思っているが現在はその役割を果たせていない。その原因は家庭にもあると思う。養護学校は、競争社会の中で「勝ち残れない人」を対象にしている。その良さを見失わないで、如何に人間として成長させていけるかを考えて教育してほしい。
岸本委員
・個別の指導計画について。項目が多すぎるのではないか。何をすべきかを簡潔に明確に、保護者と共に考え作っていってほしい。学期ごとの再評価が大切。目標は自立であり、自立支援を意識化して作成して行ってほしい。
・人権擁護について。障害がある場合、虐待のハイリスクも持っている。特に性的問題が重要。不適切な養育についても発見し、関係機関と連携して指導していくことが子どもの人権を守ることになるし、それがまた親を救うことにもつながる。
・アフターケアについて。がんばっているがもう一歩進めてほしい。現場へ出かけていって具体的なフォローアップ、援助をしてほしい。
・進路指導について。出口が見えるような進路指導を。特に失敗例を示して生かすことが大切。
・社会化について。学生のエネルギーの利用、活用を。
・保護者の支援について。指導するよりサポートすることでコミットを図れ。支援が必要であり、特に性の問題は重要。これまでの養護学校としてのノウハウを生かすべきだ。
・専門性について。教員の社会制度への学習・知識を伸ばしていってほしい。箕面養護には十分良くご存知の先生方がいらっしゃる。そのノウハウを地域へ返していってほしい。そのことがまた本人の能力を高め、意欲を伸ばしていくことにもなる。
・広報について。批判も受けなければ進歩がない。やっていることを広く情報公開すべきだ。保護者が進路を決めるのにも役立つはずだ。
上野委員
・はじめはこのような場で発言できるか心配だったが、自分ではそれなりに発言できたと思う。これまでの会議の記録は保護者にも配布されホームページにも掲載されていると思うが、その反応を知りたい。
・小委員会の話があったが、今後どのように具体化していくのか。
・保護者の意見を協議会へくみ上げるためにも、学部ごとに聴取してみてはどうか
・学校からの情報は、より多く発信されるようになってきていると思う。
・協議会の話の内容が学校に具体的にどう反映されているのかが見えにくい。
・個人としては学校に頼りたくないと思っている。むしろ地域でと思っている。「地域」に学校としてどうかかわっていけるのか、いこうとしているのか。
・箕面の情報は多いが、同じ箕面養護の学区域の中でも池田・豊中など他市の情報はあまり入ってこない。エリア各市の情報を満遍なく流してほしい。
木津委員
・この1年間の感想として、中身が濃かった。学ばせてもらうことが多かった。外部委員の方々から提言を多くいただけるような形になっていて大変良かったと思う。しかし、学校側にとってみるとこれらの提言をこれからどう生かしていくのか、大変だと思う。養護学校の役割・教育内容・専門性をどう考えていくのか、これからよりいっそう大切になってくる。ホームページを通じてでもまた出していってほしい。一貫した支援の整理を成人になるまで続けていかなければならない。共にシステム作りを目指して行きたい。医療との関係は大切であり、福祉との関係と共にどうネットワークしていくかが大きな課題。多機能型施設とは(収容ではなく)広がりのあるひとつの拠点として考えていくべきもの。
布留川委員
・保護者の立場で言うと、学校の先生はもう少し外の世界とのつながりを持ってほしい。先日のシンポジュームは300名には達しなかったが参加者には一定の感動を与えたと思う。それは教師だけではなく、いろんな立場の人が参加していたからだと思う。外とのつながりがないとどうしても井の中の蛙になってしまう。自分も教師なので特にそう強く思う。養護学校、特に高等部の位置づけを考えるとやはり卒業後の進路を意識した取組・実践が大切。親亡き後の子どものことを考えると、その後も自立して生き続けていってほしいと願う。そういう意味からもやはり進路が大切。フォローアップのことで言うと、子どもは卒業後もいろいろ経験して成長し続けていく。そこまでフォローアップして行ってほしい。親ももちろんかかわっていくが、学校がそのセンターになっていってほしい。
小西委員
・教員や施設の職員は子どもたちにもっとも身近に接している人間であり、その人が何を必要としているかわかる人間でもある。そういう者が動き出すしかない。私たちがエネルギーを出して、協力していきたい。
雪田委員
・まだ学校のことを十分把握していないが、弁護士の立場で人権のことを話させてもらいたい。前回人権教育について学校側の報告を聞いたが、人権の問題は日々の生活の中で一人一人の人権が保障されているかどうかなので、今後もより積極的な取組を続けていただきたい。「人権教育」の枠にとどまっていてはならない。保護者からの声に耳を傾ければ、さらにレベルアップしていける。学習権の保障が如何に確保されているか。教員が専門性を身につけていってほしい。虐待については社会的にはようやく取組が始まったところ。学校が発見する確率は高く、特に障害のある子のリスクは高い。学校での研修は2001年にされているが具体的なシステムはできていない。コーディネーターが必要と考える。来年度具体化を。
佐藤会長(パソコンでのプレゼンテーションあり。以下は要点)
・話しが止まってしまっている。勉強にはなるが提案したままでは意味がない。
・保護者があっと驚くような驚天動地なことを継続的に実行すれば、もっと学校に足を運んでもらえる。
・キーターゲットの具体化が必要。・個別の指導計画・地域への貢献・保護者の考えていることと教員の考えていること、そのギャップについて・アンケートを使って本当の優先順位は?を知る等について具体的な提示がほしい。
司会
・佐藤会長から運営等についてお話しがあったが、ほかの方のご意見は?
木津委員
・教員にとってのメリットはどうですか?
山口委員
・佐藤さんが言われたことをどうするのかが気になっています。難しいこともあるが、一つでも二つでも具体化していきたい。学校全体に協議会で議論されたことが浸透するのはなかなか難しい。異動もあるが、内部委員が変わっても堂々巡りで一から始めるというようなことのないようにしなければならない。
内藤委員
・アンケートぐらいはきちんとやっておいてほしい。最も問題点だと考えていることは何かをあぶり出し、焦点を絞り込んでいくことが大切。
小西委員
・学校全体として何かをやっていこうという意思統一はできていますか?
山口委員
・職員全体としては確認できていません。すべてをするのは難しい。この協議会で優先順位を示して一つで二つでもみんなの力で達成できれば、達成感もある。
司会
・具体的な提言をいただきながら実現できていないことが多いが、来年度も引き続き課題整理し継続していきたい。
学校長挨拶
・合宿等の話もあったが一度やってみたい。
・学校教育の枠が壁になっているように外からは見えるかもしれない。私たちが枠を破ることがポイント。皆さんからガンバレのエールをいただいた。来年度に向けての学校運営方針をきちっと立てていきたい。その中に協議会での議論をどう活かしていくかが課題。教員も外の世界とのつながりを持って、経験を豊富にしていきたい。
・厳しいご批判をいただきながらさらに進めていきたい。 以上