活動記録

Report

<特別プログラム>
夏季集中講座「グローカルセミナー」

Summer Intensive Course, "Glocal Seminar"

2015年8月4日~6日

August 4th - 6th, 2015

夏季集中講座「グローカルセミナー」

国際文化科の希望者を対象にグローバルな問題をローカルでのフィールドワークを通して勉強する3日間の集中講座を開催しました。3日間で延べ103人が参加しました。 A three-day intensive course was offered to the first-year Global Culture Academic Study Course students. The students studied global issues through fieldwork in the local area. 103 students participated in the course over the three days.

8月4日 August 4th

会場:とよなか国際交流センター Location: Toyonaka International Center http://r.goope.jp/toyonakakokuryu

とよなか国際交流協会

(1) とよなか国際交流協会の紹介 Program 1: Introduction by Toyonaka International Center

山本愛さん(とよなか国際交流協会職員)から設立目的・重点事業、在日外国人の現状、ネパールヘの国際協力とネパールのNGO活動についてお話をうかがいました。 Ms. Ai Yamamoto, a staff member of Toyonaka International Center, explained the founding objectives and the main projects of the center, the current state of foreign residents in Japan, international cooperation for Nepal, and NGO activities in the country.

(2)イスラム社会入門 Program 2: Introduction to Islamic society

イスラム教についての基本知識や急増するイスラム教徒と日本社会の相互理解のための取組みについて山根絵美さん(大阪大学人間科学研究科大学院)からお話をうかがいました。 Ms. Emi Yamane, a graduate student at Osaka University Graduate School of Human Sciences, gave a lecture on fundamental knowledge of Islam and actions to encourage mutual understanding between rapidly increasing Muslims in Japan and Japanese society.

(3)翌日のフイールドワークに向けての事前学習 Program 3: A pre-session for the fieldwork next day

林伸一(千里高校校長)先生が、日本社会の意識構造について話しました。 Mr. Shin-ichi Hayashi, Principal of Senri high school, offered a lecture on the structure of consciousness in Japanese society.

8月5日 August 5th

会場:
茨木市立豊川いのち愛ゆめセンター
大阪茨木モスク
コリア国際学園 Location:
Ibataki City Toyokawa Community Center for Human Rights
Osaka Ibaraki Mosque
Korea International School

(1) イスラム教の歴史についての講義 Program 1: Lecture on the history of Islam

北口学さん(大阪芸術大学教員)からイスラム教の歴史的な成り立ちのお話をうかがいました。 Mr. Manabu Kitaguchi, a Lecturer of Osaka University of Art, gave a lecture on the history of Islam.

「イスラム教はシルクロードの交易とともに広がっていったんです。信用してもらえなければ、そして平和的でなければ商売はなりたちません。」 "Islam expanded with the trading through the Silk Road. Without trust and peaceful practice, establishing trading is difficult."

大阪茨木モスク

(2) モスクの見学とイマームとの対話 Program 2: Visiting Osaka Ibaraki Mosque and dialogue with the imamu

イスラム教が大切にしていることや1日5回のお祈りの話などをうかがいました。 「今日は来てくださってありがとう。」 「朝の3時台のお祈りに起きられなくても、神様は許して下さいます。」 The imamu talked about what is important to Muslims and their prayers for their Islamic religion, which are done five times a day."Thank you for coming today. … Even if you can't get up to pray early in the morning, the God will forgive you."

イマームの右側は、通訳をしてくださったバングラデシュ出身の神戸で働く会社員の方です。 To the right of the imamu, a translator who is from Bangladesh and works in Kobe came for this event.

「コーランは全て覚えています。」「コーランを床に置かないように気をつけて」 "I know the Koran by heart. … Be careful. Please do not place the Koran on the floor."

茨木モスクの外見は一戸建ての住宅。大阪大学の留学生が多いとのことでした。 Osaka Ibaraki Mosque looks like a residential house. Many of foreign students of Osaka University attend the mosque.

コリア国際学園

(3) 国境をまたいで活躍する「越境人」の育成をめざすコリア国際学園の理念と地域共生の取組み Program 3: The philosophy of Korea International School, which aims to cultivate border-crossing persons, and its attemps to unite with local community.

毎日放送がコリア国際学園を取材して作った番組を見せていただいた後、理事で事務局長の宋悟さんから、学園の理念や在日韓国朝鮮人がなぜ日本にいるのか等についてお話をうかがいました。高校生が真剣に国際問題を論じ合っている姿が印象に残ったと多くの参加者が述べていました。 After watching a documentary video clip that MBS (Mainichi Broadcasting System, Inc.) produced on this school, Mr. Song Oh, Director and Secretary General of this school explained about their school principles and the reasons many people from North and South Korea have lived in Japan. Participating students were impressed how seriously students of K.I.S. discussed in international problems in the documantary.

宋悟さんの肩に力の入らないお話ぶりもよかったのではないでしょうか。 Even though the topic discussed was difficult, Mr. Song explained it in a casual, friendly way to help students understand the matter better.

(4) 一日の振り返り Program 4: reflection of the day

コリア国際学園の教室をそのままお借りしての振り返りの時間です。振り返ってみると、いろいろ疑問が出てきます。 After the talk, the school let us use their room to reflect on what we learned. It enabled the students to form various questions.

8月6日 August 6th

会場:
とよなか国際交流センター
千里高校 Venue:
Toyonaka International Center
Senri High School

英語で国際人権

(1)国際人権基準の考え方について、英語で学ぶ。 Program 1: Workshop on international human rights standards in English

ファシリテーターは、ジェフアーソン・R・ブランテイリアさん(アジア・太平洋人権情報センター主席研究員)でした。 The facilitator was Mr. Jefferson R. Plantilla, principal researcher at Asia-Pacific Human Rights Information Center

「毎日どんなことをしていますか。将来何をしたいですか。これら全てが人権なんです。」 "What do you do everyday? What do you want to do in the future? All of these are not possible without human rights."

3日間の講座の振り返り

(2) 3日間の講座の振り返り Program 2: Reflection on the 3-day course

この研修全体の企画・準備をしてくださった朴君愛さん(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター上席研究員、近畿大学非常勤講師)による振り返りのワークショップです。 This workshop was led by Ms. Park Koonae, senior researcher and lecturer at Kinki University, who planned and prepared this summer intensive course.

「全ての人に全ての人権を」 "All human rights for all."

「グローバル社会のリーダーに求められる力を3つグループで書いて下さい」 "Write three competencies required for leaders in the global society."

(3) レポート作り Report writing

社会科教室からCAL教室に場所を移して、グループに分かれてレポート作りをしました。 Participants moved from Social Study Room to CAL room and wrote reports on each of the programs in the summer intensive course in groups.

10月に始まる「探究基礎」の中でクラスごとに報告をしてもらう予定です。 They are to present the report at the first class of "Basic Project Research."

アンケートに書いてもらった感想や提案を紹介します。 Feedback and suggestions from the participants in Japanese.

  • 今回の研修で、今まで抱いていた疑問(イスラム教とISILの関連性など)が解け、さらにたくさんの疑問が自分のなかで生まれた。 また、毎日の研修終わりにその日に学んだことを振り返り、それをみんなと意見交流することで新たな視点を持つことができ、とても刺激的だった。
  • 知らなかったことがたくさん知れて良かったです
  • 自分の知らないことをたくさん知ることができたり、視野をひろげることがどういうことに繋がるのかに気づくことができたので良かったです。
  • 元々ほかの宗教には興味があったが勉強や調べる機会が無かったが、今回のSGH夏季集中講座でイスラームについて知れてよかった。
  • 最初は不安でしたが全体的にわかりやすく説明してくれて難しい内容のものもしっかり学べました。英語での人権についての講習は後半ついていけなくなりました。
  • 3日間のすべてのプログラムが私にとってとても為になりました。様々な講義を受ける度に課題も見つかり、その問題に対して自分はどうあるべきか、何をすべきかを考えさせられました。今回の講座はとても貴重な経験となり、沢山のものを得ることができました。来年もまたこのような講座があればいいなと思います。
  • 勉強になることが多かった。来年は討論などをもっと取り入れればいいと思った。
  • 今まで知らなかったことをたくさん知れてよかった。 このような機会がまたあれば、是非参加したい。
  • 自分が今の世界を全く理解できていないことに気づかせれました。 このプログラムに参加して、とても大切なことが学べました。 この学んだことをたくさんの人に伝えたいです。
  • モスク,コリア国際学園を訪れたり、イスラムや人権について、学校では習えないような詳しいことを学べて良かったです。3日間の研修でイスラム教の印象が大きく変わりました。参加できて良かったです。
  • ためになることが多くてよかったと思います。来年はイスラムの方をもう少し厚くしてもいいと思います
  • とても勉強になりました。在日外国人やイスラム教に関する知識が増え、興味を持つことができました。将来の選択肢が増えたと思います。
  • 特にコリア国際学園での授業がよかった。 同い年の在日韓国人の生徒さんが堂々と自分の意見を発表している授業の風景を見て私たちもあんな風にディベートできたらいいなと思った。また日韓関係についても、私達よりももっと目を背けたくなる問題なのにしっかりと自分の意見でより良い日韓関係にできるように一生懸命考えてる姿は本当に感動した。
  • 疑問に思っていたことを知ることができて良かった。 グローバル化に伴って起こっている問題をまだまだ私たちは知らないし、学べていないということに気づかされた。 内容が少し理解しにくく難しいところもあったからもう少しかみくだいて説明してもらってもよかったのかなと感じた。
  • 今回の講座で、国際交流では「知識」が必要だと痛感した。 あと、コリア国際学園の生徒の積極性には、感銘を受けた。自分も見習っていこうと思う。
  • もっとたくさん世界のことを知りたかったです。
  • イスラム教について偏見を持ってたけど、研修に参加してイスラム教のことを理解できて余計な偏見を持ってはいけないと思ったし、たくさんの人にそれを理解してほしいなと思いました。
  • とても有意義な時間を過ごせました。
  • このような経験は国際文化科の千里高校ならではだと思いました。 とても暑い中での講座でしたが、参加してよかったです!
  • モスクを訪問したり、イスラム教や人権について詳しく学べて初めて知ったことが多く、すごく勉強になった。まだまだ知らないことだらけなので、もっと勉強しようと思った。
  • 三日間を通して、メディアから受けとる情報からはわからない事を学べました。実際に人の目を見て直接話を聞く事は大切だという事を学びました。とてもいい経験ができたなと思いました。 来年度への提案は、様々な視点からの意見を聞ける機会があればいいんじゃないかと思いました。