活動記録

Report

<特別プログラム>
国際文化科1年「国際理解」特別授業(1) 『高校生の日常と国際的課題のつながり』

Special Lecture for the first-year international-course students

2016年6月15・16日

June 15・16, 2016

大阪大 第2回国際公共政策コンファレンス 参加

国際文化科1年生の専門科目「国際理解」でSGH特別授業 (1)『高校生の日常と国際的な課題のつながり』を実施しました。身近な商品が国際的な課題につながっていること、また、国際的な課題の解決には、3つのセクター(NGO・企業・国際的な枠組み)による取組みがあることを学習しました。

アジア・太平洋人権情報センターの特任研究員である松岡秀紀さんを講師にお招きしました。

松岡氏は、『人を大切に―人権から考えるCSRガイドブック』の編集に関わられました。この冊子では、「企業が事業活動を行う上でのさまざまな「つながり」の中で、多様なステークホルダーと関係を取り結ぶ場面のどこにでも人権の問題があることを示そうと」*されたとのことです。(*アジア・太平洋人権情報センター, 「企業はどう生きるか~『人を大切に―人権から考えるCSRガイドブック』の発刊によせて」, http://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2011/05/csr.htmlより)

この冊子の内容を高校生の視点から再構成して、本校のSGHプログラム3年間の学習の基礎となる問題意識や概念の枠組みを1年生に提供していただくことを目的に、授業をお願いしました。

今回の特別授業では、
まず、
・企業活動のサプライチェーン・バリューチェーンの概念について話していただきました。 その後、
  1. チョコレート菓子や携帯電話、カップ麺など生徒の身近にある製品と、フェアートレードや環境問題などの国際的な課題とが深く関わっていることを、具体的な事例を挙げて紹介していただきました。
  2. 「1チョコfor1スマイル」の取り組みなど企業とNGOが連携して国際的な問題に取り組んでいることを紹介していただき
  3. 企業の自主的な活動を組織し発展させるための国際的な枠組みである国連グローバル・コンパクトと、国際社会と各国政府が取り組むべき目標として2015年9月に国連のサミットにおいて採択されたSustainable Development Goals (SDGs)* の存在を紹介していただきました。(*国連, Sustainable Development Goals: 17 Goals to Transform Our World, http://www.un.org/sustainabledevelopment/)
  4. 最後に、市民セクター、企業セクター、政府セクターという、社会課題に取り組むにあたっての主体の構図を提示して、生徒の将来に向けた活動の方向性についても示唆を与えていただきました。

■生徒たちの感想

  • 私たちが普段食べているチョコレートの原料のカカオ豆の生産現場では15歳未満の子どもが学校にも行けずに働かされていると知って驚きました。
  • 正当な労働には正当な賃金が与えられるべきだと思いました。チョコレートなどを買うときは、できるだけフェアートレードのものを買おうと思います。
  • 健康をおびやかされるほどの児童労働に従事している子どもがいると聞いて、自分が普通に勉強できている環境は、実はすごいことなのだと思った。
  • 世界には紛争、貧困、環境問題などたくさんの現実があり、その現実としっかり向き合わないといけないと思った。
  • 普段、普通に生活していて世界とつながっていることは実感できない。むしろ何の関係もないとさえ思っていた。だが今回、話を聞いて考えが変わった。小さなことが世界につながっていることを信じて行動しようと思った。
  • フェアートレードを実践している企業の製品をできるだけ購入し、また、そういう取り組みをする団体を増やすことが、世界の様々な格差を是正するための第一歩になると信じ、行動していきたいと思います。