牧 〜ここから京都府〜



  池田バスの終点で知られている「」地区と、

園芸科の実習地がある「寺田」地区は、昭和三

十三(1958)年までは大阪ではなく、京都

府(亀岡市)でした。

 しかし、これは地形的には不自然です。なぜ

なら、この写真の位置(現在の大阪府と京都府

の境界)が、大きな「分水界」だからです。

 「分水界」とは川の流域の境界のことです。

ここから北は、川はすべて亀岡の方へ流れ、

犬飼川→桂川→淀川へとつながっていきます。

それに対してこれより南は、余野川→猪名川

→神崎川へとつながっていくのです。つまり、

牧や寺田は、地理的には豊能町と同じ地域に

なる、というわけです。

 しかし、実際にこの場所に立ってみても、

ここが「分水界」とはとても思えない、なだ

らかな場所です。逆に言えば、牧や寺田が永

く亀岡市とされたほど、豊能町と亀岡市は非

常に近い地域である、とも言えるわけです。

 城山高校は、亀岡市の別院中学校からの受験

を条件付きで受け入れています。他府県の中

学生の受験が認められているのは、大阪府下

で唯一、例外中の例外です。この背景には、

こうした地理的な結びつきの深さもあるので

はないでしょうか。