天 武 天 皇 宮 趾




 学校の裏山、遊仙寺のさらに奥、小道をど

んどん奥へ入っていくと、昼なお暗い林のど

ん詰まりに、祠と石碑が立っています。

 祭神は(現在は走落神社に合祀されました

が)天武天皇。これが最大のミステリーです。

なぜここに天武天皇が祭られているのか?も


ちろん、天武がここを訪れたという記録は何

もありません。

 『町史』によると、「幣ノ木(しでのき)

の井戸の伝説」というものがあり、天武はこ

この水を産湯に使ったと伝えていますが、こ

れも史実としてはちょっと信じがたい。

 『村誌』によると、祭神は江戸時代には

「大武天王」とも呼ばれています。「大」と

「天」は1画違いです。また現在の走落神社

に移された石灯籠には「大婦天皇」とありま

す。

 してみると、もとは「ダイブ天王」で、そ
   れが「天武天皇」の誤りであると解釈されて定着し、産湯の伝説もそこから生まれたのかも

   しれません。