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「閉ざされた食堂〜みんなの想い〜」

(2004年度1学期制作)

テーマ

 コンテストに応募した時に提出した「制作意図」から抜粋します。

 私たちの学校には、食堂がありません。だから、お昼はお弁当かコンビニに買いに行くしかありません(中略)私たちがどれだけ食堂が必要か、食堂を営業させるのにどれだけ難しい状態か。あと、食堂はある所は多いけれどない所もあるんだなと、みなさんに伝えたくて作りました、

 今年の部員はなんと1名。でも果敢に番組作りに挑戦しました。人数的に考えてラジオの予定でしたが、テーマが食堂ということでテレビドキュメンタリーに切り替えました。
 とはいえ、一人ではTVインタビューはできません(インタビュアーとカメラマンが必要)。そこで、部員のクラスメイトにカメラを手伝ってもらいました。あとで紹介する「実験」シーンも同様です。ご協力感謝感謝です。

 

スナップ


 本校の食堂はずっと閉鎖中。文化祭の時に使われるだけです。生徒にアンケート・インタビューしてみると、やはり「営業してほしい」という意見が圧倒的でした。

休業中の食堂
食堂が必要という声はほぼ70%

 食堂がほしい理由としては、学校が(名前の通り)小山の上にあるので、昼食を買いにいくのが大変である、というのが主でした。近くに店の多い都会の学校ならば、さほど苦労もないでしょうが..。

第1位は「コンビニが遠い」でした。
画面左端のすぐ左にコンビニあり

 そこで実験。校門から出て坂を下りて近くのコンビニまで行き、昼食を買って上って戻るまで何分かかるか。結果は8分4秒。しかもバテバテです。急いで食べないと昼休みが終わってしまう..。

安物のストップウォッチです(^^;
校歌にも歌われている「城山の坂道」

 あとで考えたら、計るなら教室からの往復にした方が「遠さ」が強調できたかな、と。また、映像の中で「コンビニまでの時間を計ってみました」と言っていて、それだと片道のことになる(のに映像は往復)というご指摘も受けました(^^;(^^;
 実験シーンは、当初は「早回し」でコミカルに表現するつもりでした。しかし、編集ソフトの能力とマシンの性能の問題で、早送りにすると大幅にコマ落ちしてしまうため、やむなく静止画の連続で表現しました。この点、全国大会でも指摘されていましたが、無理なものは無理なんです(涙)。

 ここで、校長先生にインタビュー。なぜ食堂が営業しないのか、何か対策はないか、を問いかけます。営業しない(できない)のは、生徒数が少なすぎる(全学年で161名)ために、経営が成り立たないから。現状を改善する方法は見つかりません。

 コンビニに学校まで「出張」してもらうというプランも考えたのですが、コンビニの店長さんへのインタビューがなかなか取れず、時間切れで立ち消えになってしまいました。

 そこで、「私たちにできる対策」として、「朝のうちに買っておく」「お弁当を持ってくる」の二つを提案しますが、生徒へのインタビューではどちらも否定的。というのは、本校生徒は遠距離通学生が圧倒的に多く、90%以上がバス通学で、1〜2時間かけて通学しています。朝お弁当を作ってもらうのも、早めに登校するのも、簡単ではないのです。

朝もやの中、バスが到着。
考えた対策が崩れてしまいました

 小さな学校であるために営業できない食堂。でも、小さな学校の良いところもあるはず。食堂問題の解決策は見つかりませんでしたが、食堂を開いてほしいという「みんなの想い」がかなうことを祈ってやみません。

教室での食事風景です。
あとは「お願いするしかない」?

 番組をどう終わらせるか、色々考えたのですが、こういう形しか思いつきませんでした。立ち向かったテーマが手強すぎたのかもしれません。全国大会では、まじめさ・真剣さが伝わらないという講評を受けました。残念です。

 


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