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大阪府立少路高等学校 引継ぎ式 式辞 大阪府立少路高等学校は、昭和58年(1983年)、豊中市をはじめ地域の方々の熱い期待をにない、島熊山の北西、少路の郷に、142番目の府立高校として、開校しました。創立当初は竹林が点在し、ウグイスやキジの鳴く声が聞こえたという自然は、現在では、モノレールが開通し、マンションが建ち並び、周囲は大きく変わりました。しかし、本校の校舎は光を十分受けて明るく、四季の移り変わりが楽しめる木々、施設設備は丁寧に手入れされ、美しい環境を保ち続けてきました。その中で、校訓の「克己」「研鑽」「敬愛」を掲げ、本日晴れの卒業を迎えた24期生を含め、9,972名の卒業生を輩出するに至りました。 「常に生徒の中で、生徒とともに」を目標に、少路高校の教育活動に携わった教職員は400名余りにのぼります。12クラス564名でスタートした本校も、昭和63年には36クラス約1,700名の生徒数を数えるに至り、そして、平成18年度の24期生、240名が最後の入学生になりました。 この間、生徒達は、部活動や生徒会活動などを通して、自主性・主体性を身につけ、体育大会、縄跳び大会、少路オリンピック、文化祭、水無月祭、如月祭などに積極的に取り組みました。体育大会の応援パフォーマンスは趣向が凝らされ、文化祭の校門アーチやクラス演劇は生徒たちが個性を生かして取り組み、その伝統の輝きを24期生も確かに引継ぎました。 教育課程の取組みでは、創立当初から「学力をつけること」を目標に、きめ細かく丁寧な指導を進めてきました。近年は、生徒の多様なニーズに応えて多くの学校設定科目を開講し、授業のシラバスを作り、学校教育自己診断を毎年実施するなど、授業改善の取り組みを積極的に行ってきました。また、地域連携にも取り組んできました。 しかし、少子高齢化、国際化・情報化などの社会全体の情勢の変化の中で教育の質的な改革の必要性が生じ、「府立高等学校特色づくり・再編整備計画」として、東豊中高等学校と統合整備されることになり、平成19年4月に大阪府立千里青雲高等学校が開校しました。 この校名の由来の一つが本校の校歌の1番の歌詞「青雲高く伸びゆく」です。生徒たちが、人生の目標や高い志に向かって、自らの進路を切り開いていくようにという願いをこめたものです。 また、この2年間、様々な形で引継ぎを進めてきました。まず、生徒達は部活動に於いて、ソフトボール部、バレーボール部、ラグビー部が東豊中高校・千里青雲高校の生徒達とともに活動しました。教員も10名以上が千里青雲高校に異動し、図書室の蔵書や本棚をはじめ様々な備品が今後活用されることになっています。そして、今月末には、千里青雲高校の敷地内に少路高校を記念する庭園と記念室が完成します。記念庭園は、正門横に設けられ、本校初代校長畑耕栄先生から寄贈頂いた、少路高校校歌が刻まれた歌碑と、2期生の卒業記念品である槇の木を移設します。また、記念室には、この後引継ぎを行います校旗、その他校舎模型や1期生から24期生まで全ての卒業アルバム等、記録資料を展示・保管することになっています。 最終年度にあたる本年は、卒業生、保護者や旧保護者、そして旧教職員の皆様のご支援をいただいて「サンクス少路デー」を実施してきました。「ありがとう少路高校」を合い言葉に「生徒達の素敵な想い出づくり」や「同窓生の輪の拡大」を目指してご協力いただきました。少路高校に縁ある方々からお寄せいただいたお心遣いに暖かく包まれ、感動、感激、感謝の365日でした。 さて、いよいよ3月31日、少路高校は閉校し、この4月から「少路高校」という校名はなくなりますが、校名と校歌と校訓「克己」「研鑽」「敬愛」の精神は、卒業生を初め、多くの方々の心の中に想い出ブレンドの歌の通り、生き続けることを、またその精神が「千里青雲高校」で培われ、ますます発展していくことを願ってやみません。 最後になりましたが、大阪府教育委員会、豊中市をはじめとする地域の皆様、翠光会、竹朋会、PTAの皆様、長きにわたり本校を支援していただきましたすべての皆様に対しまして、深く感謝申しあげます。 26年間まことにありがとうございました。 平成21年3月3日 大阪府立少路高等学校長 笹山幸子 |