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設計主旨:
本施設は、老朽化した音楽教室を別棟で増築することを目的に計画されたものですが、島上高校と高槻南高校が統合して、新しい出発をむかえた“槻の木高校”のシンボル的な存在となれるよう、また利用する生徒たちが音を奏でるのに、心地の良い場所となるよう意図して設計しています。
メインの音楽教室は、音の広がりを考慮し、空間のボリュームを大きく確保するとともに、視覚的にも北側広場の緑とのつながりを持たせ、一体的な空間づくりを目指しています。また、屋根構造にはHPシェル(左下説明)を採用し、室内にそのままの形を デザインとして見せていますが、鉄骨リブの隙間には吸音材をはめ込み、音響的な効果も考慮しています。
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HPシェル構造 とは、
今回の屋根構造は、補強リブ付きの細長い軽量な鉄板を、高さをずらして一体的に接合し、HP(双曲放物面)シェルを形成しているもので、力学的に極めて合理的な構造を採用しています。HPシェルは建物中央の大きな鉄骨丸柱を中心に、4枚形成されており、そのままの形で外観や室内の意匠にも取入れた設計です。
シェル構造の力学的特性は、卵の殻を押しつぶすのに大きな力が必要なように、この構造を採用することで、大きな梁を用いずに、広い大教室空間の柱を飛ばして形成しています。つまり、軽量な構造部材で大空間を確保する経済的かつデザイン的にも特徴のある設計にしています。
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正門も新しくなりました。
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音楽棟の内部


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