府工歴史ギャラリー

[53] ラッパを持っている生徒は何者だ

 現在、授業開始と終了はチャイムを使っているが、堺工で
はその昔はサイレンで、戦争の激化にともない空襲が予想
され、サイレンは禁止となり、「からんからん」の鐘になった。
しかし、ラッパを使用することも多く、全員集合や週番集合
など目的を持った合図は、もっぱらラッパによった。

 とりあえずラッパが鳴ると、全員その場で直立不動の姿勢
で聞き入った。「何の合図だ」と耳を澄ませ、全員集合なら、
何をおいても一目散にグラウンドへ向かった。ラッパは生徒
が吹いたようだ。

 また、毎朝グラウンドで朝礼を実施、終了後、生徒がラッパ
の音に歩調を合わせ、整然と校庭を半周してから教室に入っ
たという。

 向こうに福助足袋の水タンクと工場が見える。
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