令和3年度一学期終業式 式辞

本来は7月20日(火)が、一学期の終業式でしたが、生徒のり患が確認されたこともあり、本日、終業式を行いました。夏休み、様々なことに気をつけながらも、大いに満喫してください。

おはようございます。 20日予定の終業式、6日遅れとなりました。本校でこの一年間で学校休業は6度目。部活動の大会が多く、どうなるんだろうとドキドキした方も多かったと思いますが、言うまでもなく一番驚き、且つしんどいのは陽性になってしまった生徒なので、「自分だったら」と思って、思いやりを忘れずにお願いします。

 また、開幕したオリンピックの話もしたいのですが、話がとても長くなってしまうので、今日はやめておきます。

 この一学期も、いろいろありました。コロナの蔓延防止重点措置や、緊急事態宣言が長く発せられ、部活動が原則休止になったり、公式戦があって練習ができても1時間程度しかできなかったり、不自由な日が続きました。特に、当初は予定していた3年生の修学旅行が、生徒の他府県移動禁止の指示により、延期また延期で、結局、校外学習という名前で先週のナガシマスパ―ランドと8月20日のネスタリゾートになってしまったこと、無念でした。しかしそれでもみんなの様子を見ていると、本当に明るく頑張ってくれていて、その姿に元気をもらっています。ありがとうございます。

 今日は、最近なるほどなと思った話がありますのでそれだけお話させて下さい。

 ちょっと前に終了したのですが、この一学期のクール、日曜9時から「ドラゴン桜」というドラマをしていました。「ドラゴン桜」は、元暴走族の弁護士が、平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるまでを描くドラマです。実はそのドラマの監修を、「西岡壱誠」さんという現役東大生が行っています。西岡さんは、実際に高3の春のZ会の模試で偏差値35だったのだけど、一念発起して2浪の末に東大に合格したという方です。縁あって、彼に会えることになって、西岡さんが講演するという岡山に行って話をしてきました。現役東大生とかいうと、なんかいけ好かない人かな(笑)と思っていたんですけど、会ってみると、見た目としゃべり方が、漫才師のミキの兄ちゃんみたいな方でとっても面白くて好感度満点でした。彼は、ドラゴン桜の藤井のモデルだったと言っていました。

そこでの話を紹介します。

まずは【結果を出すための2つの力がある】という話です。

一つは、「したいの力」です。東大に入りたい、○○になりたいというプラスのモチベーションを高めてくれる力です。目標を掲げ、その達成に向けて突き進む課程や結果が人を成長させる。

 そしてもう一つは「なりたくないの力」です。マイナスのイメージのある(こんな人や状況にはなりたくない)ということにも実は人を成長させる力がある。どっちが強いかというと、ひょっとしたら「なりたくないの力」の方が、結果を出したり、成長したりするには強いかもしれませんと言っていました。確かに、ダイエットするにしても○○キロになりたいというより、これ以上○○キロになってしまったら大変だ、○○キロにはなりたくない の方が強いかもと思いました。西岡さんは「なりたくないという力」東大に入りましたと言っていました。これから夏休みなので、みなさんも、「○○するぞ」と計画をしていると思いますが、「○○な私には絶対なりたくない」という項目も決めてみたらいいかもしれません。「一日に二個アイスを食べる私にはなりたくない」みたいに。

もう一つ、西岡さんと、ある先生の話も面白かったです。

(西岡さん曰く)、僕は部活も勉強も、生活態度もずいぶん中途半端な高校生でした。そんな僕に、ひとりの先生が、「西岡はこのままでいいのか?」と声をかけてくれたんです。僕が生意気にも、「いいんじゃないですか。僕はこういう人間ですから」と言うと、思いがけず、先生は強く叱ってくれたんです。

 先生はこう言ってくださいました。「小さいころは誰でも将来の夢を自由に思い描くだろう。それなのに歳を重ねると、『サッカー選手?なれるわけないし』とあきらめていく。それは『なれま線』という一本の線が、自分のまわりを囲んでしまって、そこから抜け出せなくさせているんだでもそれは幻想だ。自分で勝手に限界を決めて、閉じこもってあきらめてしまっているだけ。そんな線は打ち破れるし、どこまでも頑張れる。あきらめるな。あきらめたらおしまいだ。なんでもいいから本気で打ち込めるものを探しなさい」すっごく感動しましたということです。ドラマを超えた、本気の熱いメッセージでした。

確かに、自分で自分の限界を決めてしまったり、まわりのせいにしてしまったりすることが少なからずあります。それが「なれま線」なんだなあと思いました。

 「なりたくない力」とか「なれま線という線」の話がとても面白かったので、西岡さんにお願いして、この秋に登美丘高校で話をしてもらう事にしました。西岡さんと、実は今ベストセラーになっている「東大メンタル」という本を書かれた岡山大学准教授の中山芳一先生と一緒に、「ドラゴン桜×登美丘高校」と銘打って、人生を成功するためのとっても大切なコツの話をしてもらいます。どうぞ楽しみにして下さい。

 では、今年は、去年より少し長い夏休みです。「なれま線、できま線」という線に十分に注意して、充実した夏休みを過ごしてください。また始業式で元気な顔を見るのを楽しみにしています。

後一点お伝えしたいことがありまして、6月17日に文化部さんを中心に、今年の学校祭で、2年後の100周年のプレポスター作製をお願いしました。締め切りは9月7日なんですが、昨日早速競技カルタ部さんが出してくれました。嬉しかったです。予定されている部活動のみなさん、どうぞよろしくお願いします。9月にお待ちしています。

令和3年7月26日

校長 山本哲哉