ミサゴ


Osprey Pandion haliaetus


タカ目 タカ科






      
分布
ユーラシア大陸中部、北アメリカ大陸中部、アフリカ北部・東部の沿岸、ニューギニア、アラビア半島、オーストラリアなどに広く分布。
日本国内では九州より北に分布しています。


生息環境
海、川、湖、沼など水域の周りにすんでいます。
日本では内陸の湖沼ではあまり見られず、内海や島の周囲に多くいます。



特徴
猛禽類の中では珍しく、非常に魚食に適応した鳥です。頑丈な脚(写真下)はぬるぬるした魚でもがっちり押さえ込むことができ、大きな魚も積極的に狙います。
アジサシなどと比べると高いハンティング成功率を誇るミサゴですが、時には獲物を空中で放してしまったり、獲物が大きすぎて逆に水に引きずり込まれ死んでしまったりすることもあるそうです。
「御幣を立てた魚」という言葉がありますが、これはそうして死んだ鳥の骨を背中につけたまま生きている「ぬし」のごとき大魚のことで、日本の漁師の間ではおめでたい魚として扱われています。
狩る者を制した大魚と、死してなお獲物をつかんで放さない鳥。生き物と生き物の命を懸けた戦いの結末には、恐ろしさも美しさもひそんでいるのでしょう。



主に魚。ボラ、スズキ、マス、ライギョ、フナなど大形の魚を好み、あまり魚が取れないときはネズミ類や弱った鳥、甲虫なども食べます。
空中から水中へダイビングして脚で魚を取り、突入が激しい時には体全体が水に潜ってしまうこともあるほど。



繁殖
一夫一妻制。雌雄協力して巣作りします。
巣は、外側に枯れ枝や海草などを使い、内側に羽毛や紙などを敷いて、ひとけのない海岸の岩の上や、水辺の大きな木の上に作ります。
時には、直径が1.6メートルに達するほどの巣や、電柱の上に作られた巣もあるそうです。
4月末〜5月にかけて、3個の卵を産み、主にメスが約35日間抱卵します。
親は、孵化後まもないヒナには半分消化した餌を与え、少し大きくなると生肉の切れはしで養い、最終的には獲物をまるごと与えて、ヒナを育てます。
ヒナは50〜52日で巣立ちします。
ミサゴ



ミサゴの脚

ミサゴの頑丈な脚。
こんなのにだけはつかまれたくない…。



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