八尾北総合学科の3つのポイント
Point1 |
総合学科ならではの「学ぶ手ごたえ」を重視 |
みなさんは、総合学科である八尾北高校とはどんな高校だと思いえがいてくれていますか。未来への「希望」を持ち、自分の「夢」を大切にし、大いにワクワクしながら進学してきてくれることを、期待しています。
八尾北高校は、生徒も先生もワクワクできる、いわゆる「学ぶ手ごたえ」を重視して学校づくりを進めてきました。「学ぶ手ごたえ」とは、学ぶ人の意欲と学ぶ内容がしっくりかみあっていることだと考えています。「自分からやろうとしたことはやりきれる」。私たちは、生徒の意欲を応援し、その実現のために、学習内容を充実させ、生徒のがんばりを支え、「八尾北高校で学んでよかった」という生徒が増えることをめざしています。
本校は、昭和58年に普通科高校として創立され、これまでも、自分の進路希望をもとに、将来につながる授業を選択する「エリア制」を平成2年に導入するなど、学校での学びの改革に取り組んできました。そして、さらに、生徒の「希望」や「夢」に寄り添い、「学ぶ手ごたえ」をより確かなものとするため、平成15年に普通科から総合学科へ改編したのです。
総合学科では、いろいろな分野の授業が設定されています。生徒一人一人が数多くの選択科目の中から、自分を見つめ、未来を思い描き、迷いながらもワクワクして選択し、自分だけの時間割をつくって学習していくことになります。
八尾北高校では、一年生の間は必修科目を中心に学習します。そして、国語・数学・英語の三教科では、それぞれの教科ごとに習熟度別編成で授業が行われます。まず、基礎基本を確実に身につけるとともに、苦手分野を克服し、得意分野を伸ばすことに取り組んでもらいます。また、八尾北高校独特の「社会への扉」という授業で、自分を見つめ、社会と出会い、一人一人が自分の未来を考えながら、二年生・三年生の学習計画を立てていくことになります。
そして、二年生・三年生では授業の約7割が、自分で選んだ科目を学習する時間になります。この選択科目ですが、八尾北高校では、5つの系列にグルーピングされた「総合選択科目」と、必修科目を発展させた「自由選択科目」、あわせて約140の科目を設定して、生徒の「希望」や「夢」の実現を学習面から支援していきます。
Point2 |
「ともに生きる」こと、「一生もの」のつながりを大切に |
八尾北高校では、「ともに生きる」ということをもう一つの柱として、学校づくりを進めてきました。
たとえば、最近では、障がいのある人との「共生」「ノーマライゼーション」という考え方をよく聞きますが、八尾北高校では、創立当初から、障がいのある仲間とともに高校生活を送ることを大切に考えてきました。今では多くの高校に見られますが、既設の府立高校の校舎にエレベータが設置されたのは八尾北高校が第1号です。これは、本校に入学した、車椅子や装具を必要とする生徒たちの学校生活を考える生徒・教員・保護者の願いと働きかけによって実現できたものです。本校のすぐ東に「八尾北高校前」というバス停がありますが、これも、最初からあったわけではなくて、視覚障がいのある生徒のことを考えて、バス会社へ働きかけた結果、実現したものです。
また、八尾北高校では、以前から中国・ベトナムなどから帰国あるいは来日した生徒が入学してきており、平成14年度からは「中国帰国生徒及び外国人生徒」の入試も行っています。そして、現在では各学年に10名前後の帰国生や外国人の仲間がともに学んでいます。授業以外でも、多文化共生部オアシスとして、文化祭や地域の国際交流行事でも活躍しています。
それから、希望者には、オーストラリアへのスタディツアーも実施しています。ここでも、語学研修だけでなく、現地の福祉施設との交流も組み込まれており、八尾北高校らしいプログラムとなっています。
八尾北高校の自慢の一つに「校歌」があります。作詞・作曲は、フォーク・シンガーの高石ともやさん。みなさんは知らないかもしれませんが、みなさんのおとうさんやおかあさんの世代の人なら誰でも知っている、今で言えば「ゆず」「コブクロ」のような存在です。ところで、その歌詞の中に「やわらかな心」というキーワードがあります。高石さんは、この言葉に、「かたい心」つまり、「柔軟性のない」「こり固まった」「他をはねのける」心の対極にある、自分も他者も大切にする人間性豊かな心という意味を込められたのではないかと思います。八尾北高校の卒業生も先生も、この校歌が大好きで、日常でもついつい口ずさみ、ほんとうに元気をもらってきました。
さらに、今年(平成24年)創立30年を記念して生徒公募による作詞・作曲の「八尾北オリジナル卒業ソング〜明日へ〜」が完成し、記念式典で披露されました。今後末永く大切に歌い継いでいけるような素晴らしい曲に仕上がっています。サビの部分の歌詞を紹介します。
「出会えた この幸せ 確かな絆 胸にいだいて はばたく あの青春よ。」
八尾北高校では、国際理解・福祉・人権・自己表現などをテーマとした科目や行事をたくさん準備しています。このような学びを通じて、人と人との出会いや関係を大切にし、「人と人」「心と心」を「一生もの」のつながりにしていける「やわらかな心」を持つ人材を育んでいきたいと、私たちは願っています。
Point3 |
総合学科に向いているのはこんな人 |
総合学科に向いている人、総合学科で伸びる人とはどんなタイプの人でしょうか。科目の好き嫌い、得意不得意のはっきりしている人でしょうか。
みなさん、まず自分自身に「どうして総合学科に関心があるのか」と問いかけてみてください。その答えが「否定文タイプ」の人は、総合学科向きではないと思います。「否定文タイプ」とは,「普通の科目の勉強は好きじゃないから…」「他におもしろそうな学校がないから…」というような感じです。「選択」という作業は、実は大変な労力と決断が必要な作業ですから、「否定文タイプ」のような動機では、選択科目を決めていく際にたちまち困ってしまうことになるでしょう。
総合学科に向いているのは、総合学科に対する関心の理由が「肯定文タイプ」の人です。「肯定文タイプ」とは、「○○系列の選択科目に興味があるから…」「八尾北総合学科で自分の個性を見つけ、伸ばしたいから…」というような感じです。
総合学科においては、受身ではなく、ひたむきに汗を流して自主的に行動し、情報を集め判断していくところにこそ、道が開けていくのです。どんなことでも、心や体のエネルギーを使うことを惜しんだり面倒がったりしていては、本当の満足感や充実感は得られないものです。本校の校訓である「流汗求道(るかんぐどう)」とは、そんな意味を持っています。
高校での3年間を「思い出作り」だけの時期にしないで下さい。自分なりの積極的な「心意気」「こころざし」を持ち、総合学科の八尾北高校で学ぼうという人に対しては、私たちは精一杯の指導・援助を惜しまない心構えで待っています。八尾北高校であなた自身のワクワクする「生き方をデザイン」してください。