天文地球部 春休みに野外調査に行ってきました

01_saisyu.jpg02_DSCN0092.jpg 

私たち天文部は、去る3月27日(日)岐阜県の木曽川中流まで、青春18切符を使って、2.5億年前の地層観察と岩石の採集に行ってきました。天文部は、恒例の天体観察以外に、今年はこの研究をテーマとして取り組む予定です。

 

皆さんは、今から6500万年前(中生代末)の恐竜の絶滅は良く知っていることと思います。これは、巨大いん石が衝突したために起った大事件で当時の生物種の60%が滅んだと言われています。衝撃的な事件のようですが、それでも40%は生き残ったのです。

 

私たちが調べようとしているのは、それよりもずっと前の2.5億年前(古生代末)の絶滅事件で、当時生息していた、三葉虫、フズリナやサンゴなど、何と96%もの生物種が滅んだとされています。この数字は、現在の地球には一切の生物が現れなかったかもしれないほどの大事件といえます。この原因は、全地球的に1000万年間もの間、酸素が欠乏していたためと考えられています。私たちは、この証拠を確かめたいと思っています。

 

この場所は、多くは赤いチャートという2億年前の岩石で、これは深さ何千mもの海底に堆積した地層です。赤いのは、現在のように酸素が多いため、鉄分が酸化して赤くなっているのです。おそらくこの中には、酸素が多かったので、当時生息していたプランクトンなどの化石(放散虫といいます)が多く含まれていると推定しています。この赤いチャートの中に、幅1mほどの真っ黒いチャートの地層が見られます。この1mが1000万年間の地層で、酸素がなかったので還元状態となり黒い地層となっています。私たちは、この中には殆ど放散虫は含まれないと推定しています。

03.jpg 

私たちは、2.5億~2億年前のチャートを16ヵ所から採取して、この中に含まれる放散虫化石の数の変化を調べようと思っています。

この結果は半年ぐらいかかると思いますが、この結果を大阪府のクラブ発表会でも報告したいと考えています。

 

放散虫化石(電子顕微鏡写真)  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

04_DSCN0088.jpg拡大する→表示

 

現地の様子

 

ハンマーのおいてある、左上から右下の黒い地層が酸素のない時期にできた地層各地層に番号をつけて、岩石を採取し化石の分析にかけます。