第9話 ~ギターマンドリン部編~
ハヤト「色んな部活を回ってきたけど、少し疲れてきたね」
レナ「そうだね、どこも楽しいけど...あれ?音楽が聞こえてくる...?」
ハヤト「本当だ。行ってみよう」
二人が向かった先は家庭科総合実習室。扉を開けると、どうやら合奏中だったようです。
部員S「ようこそ、ギターマンドリン部へ!」
ハヤト「ぎたー、ま...?」
部員S「あはは、ギターマンドリン部だよ。二人は知ってる?」
ハヤトとレナは顔を見合わせました。
2人「知らないです...」
部員S「うんうん、そうだよね、すごく珍しい部活だから。私も入学してから初めて存在を知ったんだ。実は大阪府の公立高校でギターマンドリン部がある高校って、畷高しかないんだよ!だからある意味チャンスかも」
レナ「ギターはわかるんですけど、マンドリン、ってなんですか?」
部員S「これだよー!」
部員Sは楽器を取りだしました。ウクレレに似た大きさの弦楽器です。
部員S「イタリアの楽器なんだ。弾き方が少し特殊で、こんなふうに弾くんだよ」
ハヤト「うわ、腕が上下して...!こんなの経験者じゃなきゃできない...」
部員S「大丈夫!部員8人、みんな初心者からのスタートだったよ!音楽を今までやったことがない子がいたりもしたんだ」
ハヤト「ほかにはどんな楽器があるんですか?」
部員S「よくぞ聞いてくれました。私の持ってるマンドリンと、同じ系列の楽器のマンドラテノールにマンドロンチェロ、そしてギターと、コントラバスだよ。」
レナ「コントラバス...って、吹奏楽で使う、あの大きな?」
部員S「そうそう!でもギターマンドリン部では指で弦を弾くジャズみたいな奏法を使ったりするから、吹奏楽とはちょっと毛色が違うんだ。メインに立つことも結構あるんだよ」
レナ「へー、そうなんだ」
部員S「ギターも指で和音を弾いたり、主旋律を弾いたり...慣れてくると、一人で曲を弾いたりもできるようになるよ」
ハヤト「それはかっこいいかも...」
部員S「よし、じゃあ説明してばっかりもつまらないし、一曲合奏して見せるね!」
レナ「なんだか温かい音がするね」
ハヤト「うん。この部活にも入ってみたいかも」
合奏が終わり、部長がこちらにやってきます。
部長「私たちの部活の売りはアットホームさ!少人数で合奏するためにはどの楽器が欠けても上手く成り立たないから、みんなで息を合わせることが大事なの。だから部員同士の交流も私たちは大事にしてるんだ!ということで...はい!」
レナ「わ、これお菓子!」
部長「いっぱい部室に常備してあるんだ、食べて食べて!お菓子目当ての入部でも大歓迎だよ!!」
部長「私たちギターマンドリン部は3年生4人、2年生4人の計8人で、毎週火曜日から土曜日に、家庭科総合実習室か新館1階階段下の部室前で活動してるよ。興味があったら是非仮入部にも来てほしいな」
2人「ありがとうございました!」
部活動体験も終わり、2人は家庭科総合実習室を後にしました。
ハヤト「なんだか疲れもとれた気分だ」
レナ「たのしかったね!じゃあ次の部活は...」
第10話に続く...
(記載―ギターマンドリン部顧問 山本)