第27話 ~ 探究ラボ編 ~
レナ
「理科棟の2階に来てみたけど......ここどこ?」
ハヤト
「う~ん。やっぱり初めのうちは、学校の構造がよく分からないなあ。近くの人にでも、聞いてみようよ」
レナ
「あっ。物理実験室に明かりがついてるよ!中に先輩が何人かいるみたいだし、入って聞いてみようよ!」
ハヤト
「そうしよう」「がらがらがら」2人は教室に入った。そこでは、スクリーンに写した資料を使ってプレゼンをしている生徒が数人いた。
探究ラボリーダー
「ん? どちら様?」
ハヤト
「新入生なんですけど、歩き回っていたら、ここがどこか分からなくなっちゃって。グラウンドへの行き方を教えてくれませんか?」
探究ラボリーダー
「もちろん教えるけど、探究ラボの紹介を聞いていってくれないかな?」
ハヤト
「いいですよ。紹介お願いします」
レナ
「お願いします」
探究ラボリーダー
「探究ラボは、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている四條畷高校が目玉企画としている、理系人材育成組織。厳密にはクラブではないよ。探究の授業とは別に、生徒が研究班を作って、自分たちが興味を持っている分野について自由に研究ができるんだ」
ハヤト
「でも、研究って自分たちだけでやるのは難しそうです......」
探究ラボリーダー
「そこは全く心配しなくで大丈夫だよ。探究ラボでは、1つの研究班につき、2人の先生が担当に着くんだ。何か分からないことがあったら、担当の先生方に聞くことができるよ。1番大事なのは、やる気。四條畷高校の先生方は、研究に熱意を持って取り組む生徒を全力で応援してくれるよ」
ハヤト
「それなら安心ですね!僕、化学とかに興味あります」
レナ
「私は生物かな......」
探究ラボリーダー
「いいねいいね。2人とも前途有望だよ。今ある研究班でも、化学と生物の班は多いんだ。それぞれの研究班は独立して研究を進めているんだけど、週に1回、こんなふうに物理実験室に集まって進捗報告をしているんだ。パワーポイントを使ってプレゼンするから、プレゼン技術もメキメキ上がるよ」
レナ
「プレゼンを自分で作って、発表する力って社会に出てからも役に立ちそうですね!」
ハヤト
「でも、忙しそう......。クラブもして、研究もして、勉強もして。目が回っちゃいそうです」
探究ラボリーダー
「確かに、クラブ、勉強と研究を両立させるのは難しい。でも、そういう難しいことを上手くこなしていける。そんな人になって欲しいと先生方も思って、この探究ラボという組織を作ったんだと思うよ」
ハヤト
「確かにそういう人になれたら良いなあ」
探究ラボリーダー
「紹介はこんな所かな。グラウンドにはあのエレベーター前の階段を降りたら行けるよ」
レナ
「ありがとうございます」
2人はグラウンドに向けて歩き出した。
To Be Continued...
( 記載 探究ラボ主担当 化学科教諭 三好 達夫 )