バカなこと【75期学年団・リレーブログ8】

理科の教員をしているが文系、理系という分け方をすれば中学では完全に文系の人間だった。中学3年の秋、社会で習ったコンドラチェフとクズネッツの考え方を知り、経済に興味を持った。無性に意欲が高まり、新しいノートを1冊用意し架空投資を始めた。架空の100万円をどの企業に投資すれば大儲けできるかということを考えたのだ。そしてバカなことに「これから寒くなるから灯油が売れるはずだ」と、それだけの理由で、ある石油会社に100万円投資した。期待を胸に、翌朝から新聞の株式欄をみて記録をつけていったのだが、裏腹に株価は下がり続けた。氷点下になっても大雪になっても一向に株価は上がらない。結局、高校受験の頃には30万円ほどの大赤字を出し、そして飽きた。正確には、バカなことをやったのに結果が出なかったことが恥ずかしかった。


それから時間がたって本当にバカだったと思うことは、そこで何も振り返りをせずに葬り去ったことだ。あの時、「なぜ上手くいかなかったのか」、「逆に株価が上がったのはどこなのか」と深めることができていれば、そのまま経済に興味を持ち続けたのかもしれない。きっと大学も就職も違う結果になっていたのかもしれない...


と、このようにウダウダ考えていることが最もバカなことだと思うので、今年から経済新聞をとってもう一度学び直しているところである。今度は架空のお金ではないのでかなり慎重に検討しないといけない。


教科書や問題集、動画の外にも学びはたくさん溢れている。安易に模範解答やわかりやすい解説を求めるのではなく、主体的で貪欲に馬鹿になって、学び方を学ぶ高校生活になることを1年生はもちろん、すべての学年に対して切に願っている。

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