被子植物門・双子葉植物綱

(1)モクレン亜綱

花粉は原始的な単溝型で、基本的に精油細胞をもつ。全て木本性、花は基本的に不定多数の花被片(かひへん)、雄しべ、雌しべからなる。雄しべは幅広い葉状のものが多く、葉と同じ3本の維管束をもつものがある。雌しべは不定多数が離生する。雌しべも維管束をもち、葉を二つ折りにしたような形態である。花を構成する花被片と、雄しべ、雌しべの構成単位である心皮(しんぴ)を総称して花葉(かよう)と呼ぶ。これらは、すべて葉が変形したものと考えられている。

モクレン亜綱の植物は個々の花葉が合着しないで離生することが多いので、これを原始的な形態とみなす。複数の心皮が合着した雌しべや、花弁が合着した合弁花をもつ植物はより進化した形態であるとみなす。モクレン亜綱はモクレン目・クスノキ目・コショウ目・スイレン目などからなる。シナモンはクスノキ科ニッケイの樹皮を、コショウはコショウ科コショウの果実を原料とする香料である。


モクレン科 Magnoliaceae

ハクモクレン

常緑又は落葉性の高木又は低木、柔組織中に精油を含み、芳香がある。花は両性、放射相称。がく片3個、花弁6又は多数、雄しべは多数が円錐状の花床にらせん状につく。雌しべも多数、各1心皮からなり、花床の上にらせん状に離生する。化石は白亜紀初期から、花粉はジュラ紀から発見されている。




スイレン科 Nymphaeceae

ヒツジグサ

水中に生える草本、花は長い花柄に1つついて水上に咲き、花葉の数は3を基本数とする。単子葉植物に類縁があると考えられる。がく片3〜5、花弁3〜多数、雄しべ6〜多数、雌しべ3〜多数が離生又は合生する。ジュンサイは芽を、ハスは地下茎(レンコン)を食用とする。