藤 森 神 社( 藤 ノ 宮 )



  茨木バスが豊能町を出るすぐ手前、「小松」

のバス停から横道へ入っていくと、茨木との

市境近くの小高い尾根の上に、藤森神社があ

りました。集落からかなり奥へ入るためか、

普段は訪れる人も少なそうで、ひっそりとし

ています。

 平安時代の「走落神社」はどこにあったで

しょうか。『延喜式』にはその場所を「摂津

国嶋下郡」と書いています。とすれば、この

茨木との境界上にある藤森神社がいちばんい

いのではないでしょうか。『村誌』も同じ考

えです。

 伝説によると、この神社は寛平元(889)

年に藤原氏が創建したもので、祭神は瓊々杵

尊(ににぎのみこと)を主に、天照大神(あ

まてらすおおみかみ)と少彦名命(すくなひ

こなのみこと)を相殿に祭っていましたが、

大永三(1523)年に天照大神を小玉神社

へ、少彦名命を稲荷神社(のちの走湯神社)

へ移し、さらに天正の頃に祭神を牛頭(ごづ)

天王=素盞鳴尊(すさのおのみこと)に変更

して、社号も「藤ノ宮」に改めたとのことで

す。

 現在、祭神は「走落神社」に合祀されてい

ます

                                     →  走落(小玉)神社

                                         走湯神社(稲荷宮)