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5月11日 養老孟司先生(東京大学名誉教授)によるご講演

解剖学者としての視点から、自然科学や文明批判まで幅広く持論を展開される先生の著書には、『バカの壁』『からだの見方』など著名なものが多数あります。幼いときから、昆虫採集に親しみ、現在も甲虫類の採集、標本づくり等、昆虫にまつわる研究を続けておられます。その養老先生と本校卒業生の漫画家手塚治虫さんとは、「昆虫」「医学」をキーワードとして深く共通する点があります。そういうこともあって、このたび、手塚治虫さんの生誕地である宝塚を昆虫採集の旅の目的地にされました。かつて手塚さんが幼いときに昆虫採集された地で、古に思いを馳せながら昆虫を追いかけてみたかったのかもしれません。そして旅の締めくくりに手塚さんが高校時代を過ごした本校で、ご講演いただくことになりました。生徒、教職員に加えてオンラインで卒業生を対象に、ご講演いただきました。

ご講演の内容は、養老先生ご自身の学校時代を絡めながら、「意識」の問題について、深く思索された見解を多角的にお話しくださいました。社会の変革や今ある「日常性」が崩壊するときがいずれやってくる。そしてその復興は、その後の日常をどういう社会にしたいかという考え方に影響されるということ。また「死」の問題も、社会的な関係性の中でとらえると、「命」は自分一人のものではなく、親しい「二人称」の人のものであるという考え方には、説得力を感じました。そもそも「意識」とは何か、ぶれないと思い込んでいる「意識」によって、社会は成り立っているということ、そのことは心にとめておきたいことであると感じました。(文責 西田康子)

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