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令和元年度 進路指導部冊子『進路』より「進路実現」から「想いの実現」へ

 私の進路は、中学校と高校の先生との「出会い」と「関わり」に、決定的な影響を受けました。

 私の出身中学校は、入学前「荒れ」ていました。その「荒れ」の克服に向け、先生方は、「しんどさ」を抱える生徒の背景をしっかりと理解し、向き合い、関わっていました。私は社会的立場を抱える生徒として、社会矛盾に負けない生徒に育って欲しいとの先生方の願いのもと、多くの先生方に「厳しく」「温かく」関わってもらいました。私が「先生になりたい」と思ったのは、その先生方の影響です。

 しかし、高校に入学し、その願いは厳しい現実の前で、打ち砕かれます。無力感に苦しんでいた私に、電気ショックのように衝撃を与えたのが、高2の時の担任かつ国語の教科担当の先生でした。それまでの「協調性」に重きを置く価値観とは全く異なる、人間の「想念」に重きを置く価値観。私が大学に進み、デカルトを専攻し、再び教師になりたいと思うのも、この先生との「出会い」と「関わり」があったからです。

 私は「出会い」と「関わり」から、進路決定し、金剛高校に赴任しました。しかし、教員資格を持つことと、現場で生徒を指導・援助する教師になることとは、大きな隔たりがあります。それぞれの職業には必要とされる知識や技術、意欲や態度、行動などの「専門性」があります。「想い」はあれど、「専門性」が未熟な私を、厳しく、粘り強く導いてくれたのが、金剛高校の先輩の先生です。

 赴任1年目。教材の豊かさを生徒に伝えようと意気込むあまり、教材理解と教え込み中心の私の授業に対し、その先輩の先生は、生徒に考えさせ、意見を述べさせたり、書かせたりの授業をしていました。定期考査では、いつもその先生のクラスの平均点が私のクラスより高いのです。

 赴任2年目の初担任。初めての停学の時、生徒より緊張して校長室に向かう私に、その輩の先生は停学時の生徒への指導の在り方を丁寧に教えて下さいました。この先輩の先生の優れた「専門性」を私は必死になって追いかけました。

 生徒の「変化・成長」、これが教師の仕事の中心です。この中心の修得のために、悪戦苦闘の毎日を送りました。私は金剛高校の先輩方との「つながり」によって、教師へと鍛えられたのです。感謝の念でいっぱいです。

 「進路実現」から「想いの実現」へ。

 「出会い」「関わり」「つながり」を大切にして下さい。

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