4月1日付けで着任しました、校長の谷廣(たにひろ)です。
西寝屋川高校の日々を、このブログで紹介していきます。
ブログのタイトルである「西風が見たもの」は、フランスの作曲家ドビュッシーの楽曲名にちなんでいます。西寝屋川の「西」と、淀川をわたる爽やかな「風」からヒントを得ました。
今年は例年に比べ、校内に咲く桜の花を長く楽しむことができています。満開のピークは過ぎたものの、うららかな春の陽気のなか、今日から新しいスタートを切る生徒の皆さんを歓迎しているようです。
午前には、2・3年1学期始業の会がありました。オンラインや放送ではなく、体育館で生徒の皆さんと会い、直接話ができたことを本当に嬉しく思います。
あいさつでは、「ちょっとした心がけで人生を変えることができる」という話をしました。これからの皆さんの可能性を信じ、大いに期待したいと思います。
午後には新入生を迎え、入学式を挙行しました。学年主任からは、「何事もしっかりやり遂げてほしい」という話がありました。これからの3年間でさまざまな経験を積み、未来への扉を開いてください。以下に入学式の式辞を記します。
ただいま入学を許可された221名の皆さん、入学おめでとうございます。春の息吹を感じる清々しい風が吹きわたり、花々が咲き誇る今日、ここに本校43期生の皆さんを迎えたことを心から嬉しく思い、歓迎いたします。
保護者の皆さま、お子さまのご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申しあげます。
本校は、昭和55年、ここ寝屋川市葛原の地にて産声をあげました。以来42年間、地域との連携を大切にしながら、「自律」「協調」「進取」の校訓のもと、自ら考え行動できる人、他人のことを考えられる優しい人、新たなことにも積極的に取り組む人の育成に、一貫して取り組んでまいりました。
希望と期待に胸を膨らませた新入生の皆さんには、これからの高校生活におけるさまざまな経験によって、大きく成長してほしいと願っていますので、高校入学にあたり、考えてもらいたいことを二つ話します。
ひとつは「自分を理解すること」、もうひとつは「他人を理解すること」です。
まず、「自分を理解する」とはどういうことか、考えてみてください。皆さんにはそれぞれ、自分の「いいところ」があるはずです。例えば、「好きなことに一生懸命取り組む」ことであったり、「思いやりをもって人に接する」ことであったり、どんな些細なことでも構いません。自分の「いいところ」を知り、自分に向いていると思えることがあれば一生懸命に取り組み、それを突き詰めていきましょう。
次に、「他人を理解する」とはどういうことでしょうか。自分のことに必死になっていると、他人のことは見えにくいものです。他人の考えていることが自分の価値観と違っていると、否定したくなることがあるかもしれません。そんなとき、少し冷静になって考えてみてください。たとえ自分の価値観とは違っていても、相手がなぜそのように考え、行動するのか。少し思いを馳せるだけで、自分と他人を客観的に見ることができます。今まで「自分こそが正しい」と思い込んでいたことも、他人の考え方と比べることで、ひょっとすると、自分が改めたほうがよいところもあるのではないか、そう思えることがあるかもしれません。
これからの高校生活の中で、みなさんはたくさんの友だちや先生方、家族や学校外の方々も含めて、新たな人間関係を構築していくことになります。多感な青年期ですから、ときには悩みながら、意見の違いでぶつかることがあるかもしれません。そんなときこそ、相手の意見もひとつの考え方として受け入れ、自分の生き方の参考にすることで、人生の幅を広げることができます。皆さんには、これからの高校生活において、「自分を理解する」「他人を理解する」経験を積むことで、皆さん自身が成長し、未来を見据えて可能性を広げていくことを大いに期待します。
これからの未来社会では、急激に進む情報化で予測が難しいなか、自ら課題を発見し、主体的に解決する力が求められています。
幸い西寝屋川高校には、そのような力を育むプログラムが、授業や学校行事においてたくさんあります。皆さんはこれまで、コロナ禍の学校生活においてあらゆる制約を余儀なくされ、この先もどうなっていくのか、見通せない状況にあります。しかし、そのような状況だからこそ、皆さんのこれからの経験一つひとつが重要といえます。これからの高校生活の中で、「自分を理解する」「他人を理解する」ことを心がければ、3年後の皆さんは大きく成長を遂げていることでしょう。そのような皆さんの姿を、今から心待ちにしています。
もし、これからの高校生活の中で、どうすればいいか迷うようなことがあれば、西寝屋川高校の先生方を頼ってください。先生方は、しっかりと皆さんに向き合い、応援してくれるはずです。
わたくしも、この4月から本校に着任いたしました。新入生の皆さん、保護者の皆さまとともに、西寝屋川高校の新たな歴史を築いてまいる所存です。
最後になりましたが、これまでお子さまを支え応援してくださった保護者の皆さまにおかれましても、本日は誠に喜ばしい日かと存じます。これから3年間、お子さまの大きな成長を願い、学校と保護者の皆さまが同じ方向を向き、地域の協力を得ながら、教職員一同、責任をもってお子さまを支えてまいります。どうか、温かいご支援とご協力をいただきますよう、お願いいたします。
希望にあふれ、限りない可能性を秘めた新入生の皆さんにとって、これからの高校生活が充実したものとなることを願い、式辞といたします。
令和4年4月8日
大阪府立西寝屋川高等学校長 谷廣 進一