11月16日(土)午前中は1、2年生の人権学習会でした。大東市を中心に活躍しておられる太鼓集団「魁」の皆さんにご来校頂きました。
生徒たちは、10月、11月にそれぞれ2年、1年が人権講演会で部落差別の現実や差別のない社会をめざした取組み等について学び、今日はその締めくくりとしての太鼓公演でした。
(人権講演会の様子は本校のオフィシャルブログに掲載しています。)
迫力ある演奏に続いて、生徒の太鼓体験を実施して頂き、みな結構上手に叩いていたのに感心しました。飛び入りコーナーを作って下さった際には、多くの生徒が積極的に参加したのには、びっくりしました。野崎高校生なかなかやりますね。
先生方の太鼓体験も行って頂きました。私は中央の平胴太鼓という大太鼓を叩かせて頂きました。うーん、難しい。というか、これを延々90分も叩かれる「魁」の皆さんは、体力・精神力をいったいどうやって養われたのでしょうか。先生チームが頂いた講評は、「やはり生徒の方がうまい。」でした。私もそう思いました・・・。
教頭先生の謝辞の中で、「今日見せて頂いた迫力ある演奏の下には、血のにじむような練習があるはず。それを感じ取ってほしい。」という言葉がありました。私もその通りだと思いました。それを舞台上では感じさせず、むしろ魁の皆さんが一体となって、全員で軽やかに和太鼓の演奏を楽しんでおられるように感じたのは、恐らく私だけではないでしょう。プロではないメンバーであるからこそのパフォーマンスであったと思います。本当に素晴らしい、感動的な舞台でした。
公演後、校長室で少しお話しさせて頂いたところ、今日のメンバーの大半は中学生!ということをお聞きし、2度びっくりしました。「夏場の公演では、体重が2、3キロ落ちる。」と微笑みながら話してくれたメンバーの手はまめで一杯でした。「週2回の練習を基本としている。プロでなくてここまでやれるということを示していきたい。」
野崎高校の卒業生も「魁」のメンバーとして活躍してくれています。今後、本校の生徒たちが、地元の伝統文化である和太鼓に興味を持ち、新たな「魁」のメンバーとして、伝統を受け継いでくれること。そこから、部落差別を許さず、差別をなくす行動ができる生徒たちが一人でも多く、巣立ってくれることを切に願っています。
演奏中の魂を揺さぶる迫力と、公演後の皆さんの晴れやかな笑顔に、心が洗われた一日でした。
※ 人権学習会の校長挨拶を下に掲載させていただきます。
1、2年人権学習 挨拶
○ おはようございます。今日は、1、2年生の人権学習で、太鼓集団「魁」の皆さんに太鼓の公演をして頂きます。
○ まずは皆さん、この間、何度も学校に来て頂き、部落差別についてお話頂いた講師の方をはじめ、魁の皆さんに感謝するとともに、迫力ある和太鼓の演奏に心を躍らせて下さい。
○ 次に、ひょっとしたら、この中に、「人権学習でなんで太鼓の演奏やろ。」と思っている人がいるかもしれません。
先の人権講演会や朝のホームルームで、被差別部落の伝統産業としての太鼓づくりについて学んだと思います。しっかりと思い出して下さい。
○ 人権講演会を終えたあとの皆さんの感想を読ませてもらいました。
差別の現実を知り、驚いたり、腹が立ったり、涙が出そうになった人もいました。
そこから、「差別をされる人たちのことを考えて、胸が苦しくなった。」
「差別をなくすには、自分たちも考えなきゃいけない。」と自分の問題してとらえる人もいました。
さらに、「差別をなくすために自分たちが行動すること。」、「自分にも子どもができたら、しっかりと伝えていけるようになりたい。」と、「知ること」から、「行動に移すこと」を決意した人もいました。
○ 皆さんのさまざまな受け止めに、私は胸が熱くなるとともに、とても心強く思いました。
○ 今日は人権学習の締めくくりの日です。
○ これからの公演を皆さんの「心」でしっかりと受け止めて下さい。