「いや~、忙しさに追われて気が付いたら修了式も終わってましたわ」
「そんなに忙しかったんかいな、校長はん」
「まあいろいろあってな。今年度も終わりに近づいてきたから、久しぶりに番外やない視覚支援学校のことについて話すわな」
「もう、ネタが尽きたんとちゃいまんのか」
「ネタはあるねんけど、ここで上げるとどうかなって思って。ちょっとネガティブな話もあるから」
「そらちょっと気をつけなあかんな」
「視覚障がいのある子は明るくて、まじめでおとなしい子が多いねんけど、まじめでおとなしいところがマイナスに働くことが多いねん」
「なんや、それは?」
「まじめでおとなしいのマイナス面が本来持っている明るさを消してしまうねんな」
「どういうことでんねん」
「地域の学校で学ぶ視覚に障がいのある子どもたちのことやねんけどな。盲学校の弁論大会で地域の小学校や中学校でいろいろな思いをして盲学校に来て本来持っている明るい性格が戻ったって話がよくあるねん」
「校長はんは前にもインクルーシブ教育に課題があるって言ってましたわな」
「周りの子どもが普通に見えている子ばかりで自分だけ見えてないという環境にいたらどう感じる?」
「そら、孤独を感じるかもしれへんな」
「けど、そんな中で話しかけて、仲良くしてくれる友だちが一人でも二人でもいればいいし、多くの子どもが障がいを理解してくれるといいやん。それがインクルーシブ教育のめざすところやねん」
「そやな、目が見えないことわかってくれて仲のいい友だちがいるとええな」
「でも学校って、そんな子ばかりやないねん。悪気がなくても気に障ることをいう子もおる」
「おるわな、でも先生がちゃんと注意してくれたらええやん」
「そんな簡単にはいかんのよ。子どもには子どもの社会があって、先生がすべてをキャッチしているわけやないねん。先生が悪いってわけではなくて限界ってものがあるねん」
「最近は何でも先生がって言われるもんな。そら限界ってあるわ」
「悪気がない一言でも、鋭い刃となって心に突き刺ささるねん」
「こんなん見えてる見えてへんに関係なく気に障る一言言われたら心に突き刺さるやん」
「せやから不登校の子が多いんかもしれんな。でもな、視覚障がいのある子はそれでなくても普段から耳が敏感になってるねん。そこに気に障る一言を言われたら、心の傷は大きいわな」
「表情が見えへんし、確かにそうかもな」
「特に、まじめでおとなしい視覚障がいのある子は、まっすぐ受け止めて聞き流すことができへんし、言い返すこともできへん。それで、学校へ行くのがつらくなるってこともあるんや」
「それで不登校になるんやな」
「みんながみんなそういうわけやないで」
「もともとある明るい性格が消されてしまうわけやな」
「地域の学校の先生には、こういったことを知っとってほしいし、親御さんは、子どもが学校に行きたくないって言いだしたらこう言ったことがあるんとちゃうかって思ってほしいねん」
「そんなら、どうしたらええねん」
次回へ続く
