5月10日(月)臨時放送集会

登美丘高校生徒及び保護者の皆さま。

 いつもお世話になりありがとうございます。本日よりの授業再開に先立ちまして、生徒に経緯の説明と今後のお願いを話しました。保護者の皆様におかれましても、お話の趣旨に関しまして、ご理解とご協力をどうぞよろしくお願い致します。

【当事者意識・大切です】

 生徒のみなさん おはようございます。

 本日から授業を再開するにあたって、今回の臨時休業に係る説明とお願いがありますのでお話を致します。

 1年生は、学校休業の経験が初めてですので、大阪の府立学校の学校休業ルールとともに今回の経緯を説明します。大阪府立の学校は、生徒もしくは教職員=学校関係者に新型コロナウイルスの陽性者が確認された場合、原則3日間学校を休業します。その間に保健所から本人及び学校に、疫学調査といって「濃厚接触者にあたる人はいなかったか」の聞き取り調査を行います。症状が出た日から、もしくは無症状の場合、PCR検査をした日から遡って2日間に、「約2m以内で15分以上、マスクを着けていない状態の方がいなかったか」という調査です。濃厚接触者がいたら、その人にPCR検査をしてもらうとともに、今度はその方を中心とする疫学調査を行います。そしてその濃厚接触者は原則2週間、自宅待機となります。逆に濃厚接触者が特定できたら、他に感染が広がる恐れがないということで学校は再開されます。学校休業の3日間は、教育活動が全て停止となりますので、授業の中止に加えて、部活動も中止となります。大会や自主公演は辞退となり、そこで悲劇が起こりえます。1年前は、さらに未知のウイルスだったために、全国の学校が約3か月、一斉休業となりましたが、現在は感染を広げないため、原則3日休業のルールとなっています。そして今回のように、これ以上感染の危険性がないと保健所が判断した場合に、学校再開が早まる可能性もありますし、逆に長引くこともあります。

 今回、4月30日に、生徒のご家族から、家族が陽性と診断されたと連絡が入りました。本人は、念のために30日はお休みをします。そして54日にPCR検査、6日に陽性が確認され、連絡をいただきます。登美丘高校は、昨年度、4度に渡り、生徒の、家族からの自宅感染による陽性確認で学校休業を行いましたが、今回、保健所とやりとりをして、この、第4波のひっ迫度がよくわかりました。対象者が多すぎて保健所が回っていないのです。今回のケースでは、生徒は大事を取って429日から学校に来ていません。一週間以上学校と接点をもっていませんでした。学校が何度その旨を保健所に伝えても、(これは当然ですが)保健所自身が本人に確認しないと、判断できないと返されます。しかし確認する件数が多すぎて、保健所から本人に電話ができないのです。結果夜遅くに電話して下さり、事実が確認され、学校に濃厚接触者がいないことが判断されて、一日で学校休業はとけましたが、その日早くに疫学調査ができておれば、今回、学校休業はありませんでしたし、少なくとも、濃厚接触者が特定されているのならば、それをお伝えすることで、エッセンシャルなお仕事についている保護者の方は翌日休まなくても済みました。ここが、昨年とはかなり違っているなと思ったことです。

 その中で、今日お伝えしたい事は「当事者意識」についてです。「自分事(じぶんごと)」というのでしょうか。みなさんが高校3年間で、がっちり身につけてほしい力のことです。

 「当事者意識」を持ってほしいことの一つは、「コロナ感染者の気持ち」です。今日の放送を聞いている中には、コロナにり患してしまったり、濃厚接触者に認定されて長く自宅に待機を余儀なくされたりした方が複数おられます。その方々は、まさしく「自分事」だったのですが、これだけ連日、感染拡大とか医療崩壊とか言われていると、やはり陽性と言われた方や、その家族は、自身が、「いつ容体が変わるか」という恐怖とともに、「誰かに移してしまわないか」と考えて、さらには「自身が原因で部活動や学校活動を止めてしまう」と考えて、とても辛いと思います。「怖い」ではなく「辛いだろうな」と、他人ごとではなく自分の事として物事を捉えられるようになってください。 今回陽性と認定された生徒だけでなく、現在、別件で濃厚接触者と認定されて、休んでいる生徒も多くいます。本当に、明日は皆さんかも知れません。今、休んでいる生徒が帰ってくるのを温かく迎えてください。

 そして「当事者意識」を持ってほしい2つ目は、「緊急事態宣言の延長」に対して、自分はどのように考えて行動するか。ということです。緊急事態宣言の延長によって、一番しなくてはならないのは、感染者の数を減らす行動です。移るリスクを減らすことです。もうすぐ中間テストですが、誰かが家庭内感染で陽性になる。これはある面逃れにくい。でもその時に、濃厚接触者にならずに、感染の可能性を減らすような行動をすることはできる。やはり具体的には、マスク、そしてお昼ごはん時の行動です。一生懸命勉強していても、保健所が濃厚接触者と認定したら、テストは受けられません。この緊急事態宣言の期間、感染回避行動を自分事として行ってください。

 さらに「緊急事態宣言の延長」は、またしても行事の変更を意味します。例えば学年によりますがクラスマッチ、そして修学旅行から流れ流れてきた校外学習や初めての遠足も緊急事態宣言の日程の中に入りました。そういう時に「どうなるねん」というより、自分事として「どうしたい・どうするべきか」をしっかり考えてみて下さい。

 4月に新学期が始まって、去年同様、緊急でお伝えすることが多くあります。その時に、自分は「どんな自分でいたいのか」を俯瞰的に考え、行動できる機会でもありますので、「当事者意識」で物事を捉える練習と思って、前向きに進んでまいりましょう。こういう時にいい行動のできる素敵なみなさんでいてください。では、5月、いい季節です。前を向いていきましょう。以上です。