前期 始業式

 平成28年4月8日(金)体育館にて、新入生の対面式後に、始業式をおこないました。実りある年になることを祈っています。

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対面式(右が新入生、左が在校生です。)在校生代表が挨拶をしています。

その後の始業式の式辞は、以下の通りです。

(式辞)

 今、対面式が終了して新入生を迎えることができました。新入生の皆さん、おめでとうございます。早く学校に慣れるようにしてください。また、2・3年生は新クラスとなり、新鮮な気持ちで新年を迎えていると思います。新入生の模範となり、良きロールモデルとなってください。これで、12期生、13期生、14期生揃いました。新しい学校です。新たな歴史を作っていきましょう。

 さて、新年度の挨拶を行いますが、2・3年生は昨年どのような挨拶をしたか覚えていますか。「脱皮しない蛇は滅びる。」という諺を言いました。学ぶとは、知識を得るだけでなく、内面を変革する事であり、身の丈が大きくなると、身を切って脱皮しなければならないという事です。内面を変えることは、たいへんな事であり、脱皮という激しい言葉を使ったのでしょう。学ぶとは、内面を変えることであり、勇気が要ります。変革の勇気をもってください。

 もうひとつ、適塾の話をしました。適塾は、江戸時代に大坂で創られた私塾です。この塾が後の大阪大学になりました。始めは、医者の緒方洪庵が、自分の家に全国から来た50、60人の若者を寝泊まりさせ、勉強させました。どのような勉強をするかというと、緒方洪庵は蘭学医でしたので、オランダ語の原書を訳して読んでいました。その翻訳を塾生にさせました。でも、原書は高い。たまにしか買うことができない。買った原書は、さっそく取合いの状態となりました。そのため、原書をまず写すことから始めます。そして、パートを決めて、翻訳します。でも、辞書は2冊しかない。辞書のズーフのある部屋では、多くの塾生が徹夜で勉強しました。そして、月6回みんなで輪読します。それでは、先生は誰か。緒方洪庵ではありません。緒方洪庵は医者ですので忙しい。実は、塾生の中で翻訳のうまい者が先生になりました。その一番が、塾長になり、福沢諭吉が塾長でした。このような、学びの場を作りたいと昨年言いました。

 今年は、この続きです。福沢諭吉などの塾生の目的は何かというと、目的はないのです。就職のために塾に来たのではありません。学ぶために学びの場に来たのです。純粋に勉強したのです。福沢諭吉も、最も勉強したと言っています。でも、この塾から、後に多くの逸材が輩出されました。社会で信頼される人材が出ました。要は、適塾での学びのプロセスが社会で信頼される人材を作ったのです。福沢諭吉は、後に江戸に出て、慶応年間に塾を創りました。それが慶応義塾でした。慶応義塾に、なぜ塾の字が入っているのか。それは適塾がルーツだからです。また、慶應義塾大学からも多くの逸材が社会に輩出されました。社会の信頼に足る人材を作りました。

 新年度になったので、学校の教育方針を言うとしたら、信頼に足る人材を作りたいという事です。それでは、信頼に足る人材とは、どのような人材であるかと言えば簡単です。我々が、一生ともににして働きたい人、一生のパートナーにしたい人です。考えたら浮かんでくると思います。学力が高いだけの人、学歴の高いだけが大事でしょうか。それもありますが、誠実な人、苦難にも立ち向かって頑張る人、どんな時でも明るく励ましてくれる人だと思います。本校では、それをアドミッション・ポリシーの中に入れました。時間を守り、元気な挨拶を行い、身だしなみも整えなどもルールではなく、信頼に足る人材になるためのプロセスなどです。そのような、プロセスを踏めば、進路実現も進路実績も上がる。進路実現は、結果だと思います。皆さんのことですから、今年も頑張ってくれると思います。だから、頑張ったなら、結果がうまくいかなくても、私は評価します。ただ、頑張らないのに、結果だけが出たならば、それでいいのですかと言うかもしれません。それは、結果が出て良いのですが、信頼に足る人材への道ではないように思います。

 本校は、新しい学校です。しかし、慶應義塾の母体が適塾であったように、学校は最初が肝心、最初の理念が大事です。だから、若い槻の木高校は、今が大事です。皆さんにも、期待しています。1年後に、皆さんが信頼に足る人材に近づいていることを期待して始業式の挨拶とします。

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始業式の様子です。

  校長の挨拶後、生徒指導課の辰巳課長より、本年度大阪府自転車条例が施行されたことの連絡がありました。自転車事故が増加している事と事故後支払われる損害賠償金が高額になっている事もあって、この条例では自転車保険の加入が義務付けられています。通学に使用する自転車には自転車保険の加入を、よろしくお願いします。本校としましても、なお一層交通安全指導を行っていくつもりです。