(5)ディレニア亜綱

苞(ほう)や小苞から連続的に花弁に移行する不定数の花被片、しばしば束になる多数の雄しべと雌しべなど、原始的な特徴をもつ木本のボタン科やツバキ科から、一定数の花葉をもつ草本のスミレ科やアブラナ科まで含む。単系統群であるかどうかは、今後のより詳しい解析が待たれる。ツバキ目・スミレ目・ヤナギ目・フウチョウソウ目・ツツジ目などを含む。チャ(茶)はツバキ科の木で、芽と上から3〜4葉をハサミや機械で摘んで茶の原料とする。多くの栽培植物を含むウリ科とアブラナ科もこの亜綱に属する。


ツバキ科 Theaceae

ツバキ

雄しべの数が多いこと、がく片と花弁の数が一定でないこと、がく片と花弁の中間形が見られること(移行現象)より、かなり原始的な科と考えられる。がく片4〜5、花弁4〜5、雄しべは多数、子房は2〜10室。




スミレ科 Violaceae

スミレ

がく片5は開花後も残る,花弁5は異なる形である、雄しべ5は内向きで環状に子房を囲む、子房は3心皮からなる1室。葉は互生まれに対生し、托葉がある。




ウリ科 Cucurbitaceae

ニガウリ

巻ひげのあるつる草、花は単生で放射相称で花冠は合弁ときに離弁である。雄しべは様々に融合し通常3個。栽培植物が多い:キュウリ、ユウガオ(かんぴょうの原料)、ヘチマ、ニガウリ、トウガン、カボチャ、メロン、スイカなど。




アブラナ科 Brassicaceae

セイヨウカラシナ

がく片4、花弁4、雄しべ6、雌しべ1(子房2室)、葉は互生。多くの栽培植物がある、ダイコン、カブラ、カラシナ、ハクサイ、キャベツ、メキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ケールなど。ワサビやオランダガラシ(クレソン)も食用にされる。