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貝塚市の通級リーディングチームの先生をお招きして、子どもの実態にあったSST教材の作り方を研修しました。

11月26日(火)貝塚市立東小学校の葭川先生と貝塚市立第四中学校の免田先生を講師にお迎えして貝塚市の通級指導教室におけるソーシャルスキルトレーニング(SST)の取り組みについてお話をしていただきました。

お話はソーシャルスキルトレーニングとは何かと言う説明に始まり、次いでSSTのプログラムをつくる手順・指導法について説明いただきました。先生方は「市販されている本にさまざまなSSTプログラムが載っているが、それを各学校でそのまま実践するとうまくいかない。各学校の実態をしっかりアセスメントして、実態にあった教材を考えることは必要である」と何度もおっしゃっていました。

つぎに貝塚市立東小学校の通級指導でのSSTの指導の映像を交えてご紹介いただきました。写真はその後、子どもがしているのと同じ「あんたがた どこさ」の「さ」のときに手拍子をしたり、両手をあげたり、しゃがんだりするワークの様子です。

「難易度をスモールステップで上げていくことで、体の操作が不器用な子どもも達成感を味わって『次また来よう。』と言う気持ちになって帰ってくれました。」とのお話でした。

免田先生からは、「中学生という時期は、思春期でもあり、人間関係も広がり、社会に出る将来の自立への準備の時期でもあるので、そのニーズにあった教材を用意する必要がある。例えば『チームビルディング』の研修で使われるものや、新聞・テレビ・書籍などで紹介されている協力して解決するような教材を考えると良い。」とご紹介がありました。

後半は校種ごとに分かれて、それぞれのグループでSSTの教材を考えました。

最後に講師の先生方に許可を得て、当日例示され参加者全員で体験した小学校低学年対象のSSTの指導案を載せておきます。ブログをご覧の皆様に参考にしていただければと思います。

活動名   「あんたがた どこさ」

対象     小学校低学年 小集団

実態

協調運動に課題がある。リズムに合わせて体を動かすことが難しい。うまくいかないことがあると気持ちのコントロールが難しくなる。

指導目標

リズムや指示に応じて体を動かすことができる。

自分の気持ちを調整して、活動に最後まで参加することができる。

めあて

リズムにあわせて体を動かすことができる。最後まで活動に参加する。

ルール

・歌詞の中で「さ」が出てきた時に、指示された動きをする。

・うまくいかなくても自分のできる範囲でよいので最後まで挑戦する。

・体に負担のかかる動きの時は、いすを持っても良いこととする。

方法

①はじめ、動作なしで「あんたがた どこさ」の歌を聴く

②次に、歌詞の中に「さ」の時に、指示された動作をする

 ・手拍子をする

 ・両手を挙げる→腕は両方の耳につくようにして、手は頭上まであげることを確認する

 ・その場でしゃがむ→ひざに負担がかかる場合は自分のいすなどを使ってバランスをとる

③実態に応じて歌の速度をあげる

モデリング(教員が、よい見本だけ・よくない見本だけでもよい、両方やってもよい)

①説明中は正しい見本を見せる

②説明後に「どこが違うかな」とよくない見本を見せ、間違っているところを発見させる。

 どうしたらよいかも合わせて発表できるように促す

 △ うまくいかないと、活動から離れようとする

 △ わざと指示通りに体を動かさない

その他(注意事項や確認事項など)

・活動しやすいように子ども同士の間隔を空けさせるようにする

・こどもの実態に合わせて曲のスピードを遅くしたり、速くしたりする

・うまくリズムに乗れない場合でも最後まで取り組めたことを評価する。

用意するもの

・活動名、めあて、ルール、方法の視覚的掲示物

・「あんたがた どこさ」の曲 ・CDデッキ ・掲示物歌詞