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12月5日(金)  府立高校PTA協議会の研修会に参加しました!

 冬らしいピリッとした空気で、街中のクリスマスイルミネーションが映えます。大阪府立高等学校PTA協議会主催 人権啓発研修会に3名で参加してまいりました。

 今年度は「一人ひとりが大切にされる学校とは」と題して、追手門学院大学 教授 平野智之先生のご講演がありました。

 「一人ひとりが大切にされる学校」と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちになられますか?生徒一人ひとりが大切にされる・・気にかけてもらえて、話を聞いてもらえること?あるいは話しやすい雰囲気・環境を整える?ということなのかな、と漠然と思っていました。これは非常に表面的な見方でした。

 まずは、教育を受けるということについてから講演が始まりました。

憲法第14条 『法の下の平等』

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

憲法第26条 『教育を受ける権利と義務、そして義務教育の無償性を定めた条文』

「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」

「2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」

教育基本法第4条 『教育の機会均等』

「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」

2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。」

3 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。」

私たちは普段当たり前に子どもを学校へ通わせているように思えるのですが、権利があっても教育を受けられない子どもがいることを改めて認識しました。それは、児童虐待(ネグレクト等)、貧困、無戸籍児、ヤングケアラー、不登校、性的マイノリティやジェンダーでの悩み、障がいのある子どもなど理由はさまざまです。『法の下の平等』であるはずで『教育を受ける権利』『教育の機会均等』と謳われているのに、それができていない現状があります。

講師の平野先生は大学で教職をめざす学生を教えていらっしゃり、子どもたちの教育を受ける権利を大切にできる先生になってほしいと考えられています。そこで、その第一歩として、先生と生徒の信頼関係を作るためにはどのようなことが必要でしょうか、と問われました。

どうやって話を"聴く"のか、その姿勢が大切とのこと。積極的に聴くことに集中し、顔を見ながら聴く「傾聴」、うなずきながら聴いたり相槌をうつ「受容」、言葉を繰り返したり言い換えたりする「繰り返し」、生徒が話した内容を整理し、要約しながら聴く「要約」、そして最後まで聴くこと。このような姿勢で生徒の話を"聴く"ことによって、信頼関係は築かれていきます。親子の関係でも同じですね。

 人権を大切にする教育とは、子どもの背景や特性、生活や家庭状況を理解することからスタートします。何等かの理由で教育を受けられない状況があった場合、それは個人の問題ではなく、学校や社会が取り組むべき問題として捉えるべきであるとお話されていました。

 その上で「ともに学ぶ」~インクルーシブ教育について考えてみます。

障がいとは社会的障壁と言い換えることができます。障がいは、個人の身体の機能だけではなく、社会的な環境・関係も関与するものです。英語のimpairmentdisabilityはいずれも障がいと訳されますが、impairmentは個人の機能・身体的特性よる障がいであり、disabilityは環境や条件による障がいです。これまではimpairmentが注目され、個人レベルの治療や努力だけを求められがちでした。たとえば、下肢に障がいがある場合、車椅子を使用するなどがあげられます。しかし、階段を上がることができません。これが環境による障がい=disabilityに当たります。スロープがあれば、環境的な障がいは取り除くことができます。このようにdisabilityに注目する考えを「障がいの社会モデル」と言います。

「障がいの社会モデル」は、障がい者が他の人と平等に人権と基本的自由を享受できるよう、各国がとるべき措置を定めた2006年に採択された国際条約、「障害者の権利に関する条約」(障害者権利条約)から始まりました。障がいを理由とする差別の禁止、合理的配慮の提供、インクルーシブ教育の推進、ノーマライゼーション(社会参加)の促進などを義務付け、日本は2014年に批准しました。「障がいの社会モデル」の考え方に基づき、障がいは個人の問題ではなく社会のバリア(障壁)が原因であるとし、社会全体の仕組みを変えることを目指しています。この条約に基づき日本では、2016年に、障がいを理由とする差別を禁止し、誰もが共生できる社会の実現を目指す「障害者差別解消法」が制定されました。この法律は、障がいのある人への「不当な差別的取扱い」の禁止と「合理的配慮の提供」が柱になっています。「合理的配慮」とは、障がいのある人から社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられた際、事業者側の負担が重すぎない範囲(過重な負担のない範囲)で、必要な対応をすることが求められています。このように環境や関係を変えていくことで差別をなくしていくことができます。

 ここで改めて「一人ひとりが大切にされる学校」について振り返ります。大阪府では全国に先駆けて様々な取り組みを展開しています。知的障がい生徒自立支援コース、共生推進教室、日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜、校内居場所カフェの広がり(スクール・ソーシャルワーカーの配置)、ジェンダー・性の多様性への対応として性に関わらず制服を選ぶことを含む複数の制服を採用(昨年で125校)などが挙げられます。

このような府立高校の人権を大切にする取り組みを広げるためにも、最後に「一人ひとりが大切にされる学校」をつくるためのキーワードをご紹介します。

『一番の味方を作ること』

『してあげるとか、してもらうとかの一方向の関係性ではなく、立場を超えて、当たり前に接すること』

『社会との信頼関係は、多くの人と真剣に関わり合うことで得られる』

 7月のジェンダーに関する講演会でもお話がありましたが、『私が私のままでいられること』。これこそが一人ひとりが大切にされることであると気づかされました。

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 ご講演のあと、「自転車交通の現状と道路交通法の改正について」天王寺警察署交通課の方から情報提供がありました。

 対象は16歳以上ですので、ほとんどの生徒の皆さんに関係があります。ながらスマホは12,000円、ヘッドホン等の使用は5,000円、二人乗りは3,000円など、違反行為に対して反則金が課せられます。本校での自転車通学者は少ないようですが、ご自宅から駅まで自転車を利用されている方もいらっしゃると思います。道路交通法の改正について、ご家族皆さまで確認してみてくださいね。

 <参考>https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000658/658311/kaiseidourokoutuhou.pdf