• トップ
  • 2025年
  • 11月
  • 10月25日(土)③防災安全啓蒙活動『帰宅困難シミュレーションウォーク』

10月25日(土)③防災安全啓蒙活動『帰宅困難シミュレーションウォーク』

レクチャーで発災後に想定される状況を知り、それらに対する備えを考えました。

大きな地震が発生し最悪の事態になった時、多くの北野生が帰宅困難になります。大規模地震発生時の帰宅困難者に対する基本原則は「むやみに移動を開始しない」ですが、北野高校の場合、それは現実的ではありません。

どう備えていけばいいのか・・本来子どもたちが訓練をする方がよいのですが、保護者が考え歩いてみて、帰宅後子ども達と一緒に備えを考えるきっかけづくりにしていただけたらと思い、今回『帰宅困難シミュレーションウォーク』を実施しました。

 コースは北野高校を中心に

① 北 西 方 面:庄内駅(阪急宝塚本線)

② 北 東 方 面:淡路駅(阪急京都線)

③ 南西・沿岸方面:野田阪神駅(大阪メトロ)・海老江駅(JR)

④ 南 東 方 面:大阪梅田駅(阪急)・大阪駅(JR)    の4コースです。

 当日は、①~③の3コースで実施しました。

 防災士のNさんが実際にこの4コースを歩き、安全に帰宅困難シミュレーションウォークが実施できるコースを選定し、道順(コマ割り)をお示しくださいました。ありがとうございました。

参加者の皆さまには、それぞれおおまかな歩くコースを示した地図をお配りしました。 また、ミッションとして『キタクちゃん』を見つけること、『一時避難場所、避難所、津波避難ビル・水害時避難ビル』を見つけることや、どこにあったかを認識することなどをお願いしました。防災安全委員の皆さまにはそれを地図にマークしていただくようにしました。

 それぞれのコースでの様子をご紹介します。

① 庄内駅コース 4.2㎞

北野高校を19名で出発し、庄内駅まで約1時間14分ほどかけて向かいました。十三駅から176号線を北上し、新三国橋で神崎川を渡り、阪急宝塚線庄内駅まで歩きました。豊中市・池田市・箕面市方面の方が参加されていたようです。今回は人数もいらっしゃったので、途中何度か信号を待ちながら進みました。

津波避難ビルがあまりないコースでしたが、皆さんマークを探しながら一つひとつのビルを確認しながら歩いていらっしゃいました。

十三駅付近は災害時帰宅支援ステーションのキタクちゃんマークの着いたコンビニやお店も多く、駅から離れると少なくなるなど、支援が受けられる拠点が固まっていることなどを改めて認識しました。

その他、避難所となる小学校や高台、何かの折に避難できそうな店舗の駐車場、公衆電話などの情報を皆さんで共有しながら歩きました。

車で通ったことがある道でも、実際に目的意識を持って歩くことで、気づきの多い活動となりました。

② 淡路駅コース 4.6㎞

 22名で出発しました。北野高校を出発し、淀川通りを東方向へ進み、南方を過ぎたあたりで阪急京都線沿い入り線路の北側を、淡路駅まで約1時間20分ほど歩きました。吹田市・茨木市・枚方市・高槻市方面の方が参加されていました。

 今回は十三でアンダーパスを歩きましたが、浸水後の状況によっては十三駅の北側を大回りしなくてはならないルートであると思いました。

 コンビニエンスストアに『キタクちゃん』マークを見つけると、心なしかホッとします。コンビニによっては、協定を結ばれていない店舗もあることが分かりました。

 また、公共施設である淀川区役所が避難所になっておらず、公共施設だからといって、すべてが避難所にはならないことに少なからず驚きを覚えました。津波避難ビルを示すステッカーは、通りの向こうからもわかるほどの大きさです。しかし、近づいてよく見てみると当たり前のことですが、営業時間内のみ避難可能であると記載がある企業ビルも多く見受けられました。

キタク支援ポータルサイトで24時間避難可能となっていたビルが平日の日中のみであったり、キタクちゃん協定店とされているコンビニエンスストアでもステッカーがなかったりと、実際に歩いてみて、情報とは異なる場合があることを実感しました。情報更新や整理が追い付いていないのかもしれません。

 阪急京都線の北側は住宅街でした。よって、コンビニエンスストアも津波避難ビルもなくなりました。

③ 梅田駅コース 2.6㎞

 梅田駅まで、防災士のNさんと一緒に20名で歩きました。北野高校を出てすぐの新十三大橋を渡るルートです。1番短いコースでしたがいくつかの曲がり角が少しややこしくて、一人で歩くとなるとちゃんと歩けるか不安になりました。

今回歩いた新十三大橋は東側が歩行者専用、西側は自転車OK(現在は工事中のため通行不可)なのでとても歩きやすかったですが、通年風が強いことが多く、距離も長いので向かい風だと大変です。

また、津波避難場所となっているところは専門学校などの高いビルが多かったです。

北野高校の前身、新北野中学跡地に立派な石碑があり、みなさんとても喜んでおられました。

車や電車で通るだけではわからない発見にみなさん色々感心されていました。

ミッションがなくなると、ゴールを目指すことが目的になっていきました。

このシミュレーションウォークは20人前後で2.6km~4.6kmを一緒に歩いただけです。

帰宅抑制は必要ですが、現実的ではないかもしれません。公共交通機関はストップ、備蓄切れ、徒歩で帰宅せざるを得ない状況になる可能性もあります。実際に帰宅困難者として徒歩で帰宅するとしたら、多くの知らない人と知らない道を歩くことになります。そして今回ゴールとなった駅からさらに自宅まで何kmも歩く生徒もいます。これは心細いだろうなと感じました。そのために何を準備したらよいのか、各自で考えた方がよさそうです。

一方で、公共交通機関が麻痺している状況で、下校できるようになったとしたら、恐らくは「迎えに行くから歩いて帰ろう」「同じ方面のお友達と歩いて帰ってきて」と子どもに言ってしまいそうです。その時の状況にもよりますが、安全が確保され、公共交通機関が動くようになるまで動かない(学校に待機する)ことも選択肢の一つとして、心に留めておく必要があると感じました。

 終了後、参加された皆様にアンケートをお願いしました(回答率98%)。ご回答いただきありがとうございました。

回答されたすべての方が、今回の目的のひとつであった『家庭で防災について考えるきっかけとなった』とお答えいただきました。また8割を超えるご家庭で発災時の行動などについてお話しされたようです。

 多くの参加者の方が、今回の『帰宅困難シミュレーションウォーク』および『レクチャー』を意義のあるものととらえてくださっており、できれば先生方や生徒たちにも共有したい活動・内容であるとのご意見もいただいております。

 今年度、初めての試みであり何かと至らないところがあったと思います。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。いただいた貴重なご意見を検討し、次年度以降につなげてまいります。

 また、防災士のNさまにも厚く御礼申し上げます。