3・4限目に3年次の選択授業「手話・点字」を参観しました。
この授業は地域のたくさんの方のご支援、ご協力で成り立ってい
る"地域と繋がる"金剛高校ならではの選択授業です。授業には、
地域で手話や点字の普及や通訳・翻訳ボランティア等の活動され
ている手話サークル「虹」と点字サークル「モラモラ」(サーク
ル名の"モラモラ"とは、マンボウの学術名で"ゆっくりと"という
意味に由来しているそうです)から毎時間たくさんの方が講師と
して来てくださっています。
この授業のように地域で様々な活動をされている方や専門家の方
と出会い、社会の課題や専門知識を直接学べる機会は、高校生に
とって社会との接点、リアリティーを身体全体で実感できる、本
当に貴重な素晴らしい体験で、こういう繋がり、ネットワークは
まさに学校の教育財産と言えます。
「手話・点字」の授業は2クラス展開(1クラス約20名、総勢
42名)で生徒たちは毎回1時間ずつ教室を交代して手話と点字
の授業を受けています。(手話→点字クラスと点字→手話クラス)
今日の点字の授業では、前の時間すでに覚えたアイウエオ50音
について、確認の単語ドリル(読み取り)をしたり、何も見ずに
短文をみんなで順番に読み合ったりしていました。
手話の授業の方は、自己紹介をし合ったり、しりとりゲームをし
て覚えた単語やアイウエオの定着をはかっていました。受講して
いるほとんどの生徒は全くの初心者ばかりですが、講師のみなさ
んの丁寧でわかりやすい指導のおかげで、1年もたてばある程度
の会話が手話で流暢にできるようになったり、点字をかなりのス
ピードで打ったり読んだりできるようになるそうです。
授業が始まってまだ1か月半ですが、生徒たちはみなはやばやと
手話や点字の基礎はマスターしていました。たどたどしい手話や
点字がわかったり、伝わったりすると、嬉しくて、もっとできる
ようになりたいと学習に熱が入るようです。人とつながるコミュ
ニケーションの原体験とも言える感動がそこにあります。
今日来ていただいた講師のある方は、「生徒の学習スピードの速
さには本当に驚かされます。準備が大変です。」と目を細めてお
話くださいました。また、他の講師の方は「ここで学んだことを
生かして、将来手話通訳や点字翻訳をやろうという人がこの中か
らぜひ出てもらいたいです。将来が楽しみです。」と嬉しそうに
おっしゃって下さいました。
授業担当の塩路先生、関先生によると、受講生徒の所属エリアは
さまざまで受講の動機も様々ですが熱心な生徒が多く、手話・点
字の授業がきっかけで福祉や医療、ボランティアに関心を持つよ
うになる人も少なくないそうです。私も時間が過ぎるのを忘れて
しばし授業を楽しませてもらいました。