かけがえのない時を刻んで

いよいよ修学旅行です。高校時代での修学旅行は、人生で一度限りです。私は40年近く経った今でも、自らの高校2年生での修学旅行の数々のシーンを思い出すことができます。それ程、修学旅行で刻んだ時は濃密でした。人の心は正直です。内容の薄い時間は、忘れ去られ記憶に残りません。

 では、どうすればそうした濃密な時間を刻むことができるのか。日常生活とは異なる旅行先で、感性を研ぎ澄まし、様々なものから貪欲に学びとろうとする姿勢を持つこと、と思った人もいるかもしれません。確かに、自然に恵まれ、貴重な歴史と文化を持つ沖縄の地で、様々な交流や体験活動を通じて、あなた方一人ひとりが多くのものを学んで欲しいと私たちは願っています。しかし、それは個人旅行でもできることではないでしょうか。

 私の脳裡に思い浮かぶ修学旅行のシーンの一つひとつには、必ずクラスの仲間や学年の仲間、そして担任の先生や学年の先生がいます。修学旅行は、クラスや学年の仲間、担任や学年の先生と、寝食を共にし、交流や体験を分かち合うからこそ、個人旅行では味わえない輝きを持つのです。

修学旅行を生涯忘れることのできない内容の濃いものにするには、具体的にどうすればよいのか。答えは単純明快です。

「自らの役割を完璧に果たすこと」です。

修学旅行中の時間は、自分個人のものではありません。37期生全員のものです。その全員の時間を内容の濃いものにするためには、一人ひとりが自分に与えられた役割を「完璧」に果たそうとすること以外にありません。一人ひとりが「自分自身のために」そして「仲間のために」こうした姿勢で時を刻もうとした時にはじめて、一つひとつのシーンは、決して忘れることができない輝きを放つのです。

みなさん、修学旅行中は、普段より背伸びをして、一人ひとりのいいところを仲間に見せてください。一人ひとりが胸に手をあてて、『自分は今、自分の役割を完璧に果たせているか。』を問うて行動して下さい。

答えは単純明快ですが、それが実現できたかどうかは、一人ひとりの「心」が決めるものです。

 この修学旅行で、「かけがえのない時を刻む」ことができたと、37期生の生徒一人ひとり全員が思えることを、心の底から願っています。

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30