H30年度二学期終業式式辞

みなさん、おはようございます。

 二学期の終業式に際して、この1年を振り返り、思いを述べます。今年は自然災害の年でした。6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、8月の猛暑、9月の北海道東部地震、台風21号、台風24号と、これらの災害で亡くなった方の冥福を改めてお祈りするとともに、今なお、不自由な生活を余議なくされている方々に心よりお見舞い申し上げます。

 みなさんは、改めて命と安全の大切さ、防災と危機管理の重要性を忘れないで下さい。

 ここでみなさんに是非、心に刻んで欲しいことがあります。この12月10日は何の日だったでしょうか。

 1948年、国連第三回総会で世界人権宣言が採択された70周年の日です。この宣言は何故出されたのでしょうか。前文では、「人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし」とあります。この野蛮行為は戦争であり、ナチスによるユダヤ人虐殺を指します。世界人権宣言は戦争や虐殺への深い反省を踏まえ、人権尊重こそが自由、正義、平和の基礎と宣言したのです。

 みなさんに心に刻んで欲しい点は3点です。1点目は、人権尊重こそが平和の基礎だということです。世界では今なお戦争や紛争が起こっています。

 次に、世界人権宣言の世界は、日本とは遠い世界のどこかではなく、世界の意味するところは、普遍的ということであり、いつでも、どこでも、誰にも当てはまるということなのです。世界人権宣言の原文は、Universal Declaration of Human Rights

なのです。

3点目は、人権尊重が、自由と正義の土台ということです。

この宣言の第二条には、人は人種、皮膚の色、性別、言語などで、いかなる差別を受けてはならないとあります。

ところがどうでしょうか。日本では差別はなくなったのでしょうか。たとえば最近、問題になっている医学部の差別入試はどうですか。公平、公正であるべき、入学試験で、女性であるということで減点され、不合格されていました。自らの努力以外の要素で不合格にされた女子生徒のことを思うと、怒りで胸がいっぱいになります。こんなことは決して許されてはなりません。

繰り返します。人権尊重は、自由と正義の土台なのです。

みなさんには、この世界人権宣言70周年を機に、今一度、人権、平和、自由、正義の大切さを胸に刻んで欲しい。

 さて、3年生のみなさん、進路実現は順調ですか。推薦入試などで既に進路が決定している人もいますが、これから入試にチャレンジする仲間もいるはずです。こうした仲間に気遣い、応援する雰囲気や温かい関係は、クラスにありますか。私はこうしたしんどい状況にある仲間を気遣い、支えることができるかで、集団の質が問われるのだと思います。37期生には、それができると信じています。

 次に2年生のみなさん、みなさんは修学旅行への取組みを通して、着実に集団としての質を高めて行きました。その結果、命と安全が守られ、誰一人として、イヤな思いをすることがない修学旅行を作り上げました。みなさんは自信を持って前に進んで下さい。みなさんにはその力があります。38期生は、普通科総合選択制の最後の学年です。2月のエリア発表会は、あなた方で本当に最後です。修学旅行で身に付けた力を今度はエリア発表会で更に伸ばして下さい。これからの活躍を応援しています。

 最後に1年生のみなさん、金剛高校に入学してきて8カ月が経とうとしています。昨年の今頃は入学試験を前にさぞかし不安な思いでいっぱいだったでしょう。3月の合格発表の瞬間の喜び、4月の入学式での期待と希望。その期待と希望どおり金剛高校での学校生活は、充実していますか。課されたものを適当にこなしているだけでは、力はつきません。入学式でも言ったように「単に生きるのではなく、善く生きよう」として下さい。金剛高校は、打てば響く学校です。思いや願いを持って授業や行事、部活動に取り組めば、それに応える先生や仲間、先輩たちがいる学校です。

 では、短い冬休みですが、年末年始、体調や安全にはくれぐれも気をつけて、気持ちも新たに始業式で会えること願い、式辞とします。

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