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JUMP金剛80号「持続可能な社会」に向け「繊細の精神」を生かして

37期生のみなさん、卒業、おめでとうございます。これからの社会に向けて旅立つみなさんに、餞の言葉を贈ります。

金剛高校は、一人ひとりの生徒の人格を尊重し、様々な教育活動を通じて、人間として成長させる「力のある学校」です。みなさん方は、授業や行事、部活動など、日頃の地道な努力の積み重ねの中で、着実に成長しました。それは宮古島への修学旅行での学年としての規律ある行動、体育祭での企画力や統率力、文化祭での表現力に如実に表れています。

今年は新しい元号に変わる年です。37期生は平成最後の卒業生です。3学期の始業式にも述べたように、平成の30年間を振り返り最も大きなことは、日本に戦争が起きなかったことです。このことの大切さを今一度確認し、平成に続く時代においても「平和」の尊さと多様な他者と協調、協働できる「和」の大切さを堅持し続けることを切に願います。

6年後の2025年に大阪・関西で万国博覧会が開催されることが決定しました。みなさん方は24・5歳になります。この万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、コンセプトは「未来社会の実験場」ですが、この万博がめざすもの、目標は何か知っていますか?それは国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)が達成される社会なのです。「いのち輝く未来社会」の実現に向けて、SDGs(Sustainable Development Goals)は17の達成目標を掲げています。一部を紹介すると「①貧困をなくそう」「③すべての人に健康と福祉を」「⑤ジェンダー平等を実現しよう」「⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「⑧働きがいも経済成長も」「⑩人や国の不平等をなくそう」「⑯平和と公正をすべての人に」などです。それぞれの目標には具体的なターゲットと指標が決められてあります。これが大阪・関西で開催される万博の目標なのです。キーワードは「環境」「人権」「平和」です。この目標の達成に向けて、私たちは未来社会をデザインしていくことが求められているのです。その実現の主体は私たち一人ひとりであるのです。

先ほど挙げた万博のもう一つの目標にSociety5.0の実現があります。このSociety5.0とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会につづく、5番目の新しい社会(超スマート社会)のことを言います。この超スマート社会とは、ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)を融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす社会のことです。

今後、社会はAIなどのICTの発展により、大きく変化します。しかし、それはめざすべき社会実現のための、方法や手段であることを忘れてはなりません。めざすべきは、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会です。大阪・関西で開催される万博は、「未来社会の実験場」です。全国、全世界に先駆けて、大阪・関西は、SDGsの達成に向けて、取り組む社会であることを示すよう望みます。

卒業後、みなさんは様々な進路で、自己実現、社会参画することと思います。金剛高校は、「地域社会とのつながりや人との出会い、多様な学びを通じて、主体的に学び、自らの人生を切り拓くたくましさを育み、地域社会を支える人づくりをめざす」学校として、みなさん方に関わってきました。その中で、私たち教職員はみなさんに、主体的に学び自己実現する力、多様な他者と協働する力、持続可能なよりよい社会をめざす力を育もうとしてきました。金剛高校の生徒のよさは端的に言うと、「幾何学の精神」よりは、人の痛みに共感し、思い致して行動できる「繊細の精神」です。この精神は今後ますます必要になります。

金剛高校は今年で40周年を迎えます。多くの卒業生が地域社会で活躍しています。みなさんは誇りを持って、その一員となって下さい。今後の活躍を心からお祈りします。

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