令和2年度一学期始業式式辞

 みなさん、こんにちは。

 思い起こせば、こうして、みなさんに直接お話しできる機会は、今年の1月8日の三学期の始業式以来、実に5か月ぶりです。

 新型コロナウィルス感染による緊急事態宣言や臨時休業により、登校できない日々が続きました。私もこんなに長い休業は、教師になってはじめての経験です。

 今日から40人での授業や部活動など、教育活動ができるようになりました。

「ついに、ようやく、やっと」です。待ちに待った学校再開、うれしいことは言うまでもありません。

 ここで、みなさんに注意及とお願いを大きく2つします。

 まず一点目の注意です。みなさんの心と体の健康に最大限の注意を払うことです。コロナ危機は決して過ぎ去ったのではありません。

 学校としても、みなさんの心と体の健康に留意しますが、みなさん一人ひとりが、3密を避けたり、規則正しい生活をして免疫力を高めるなど、「新しい生活様式」に慣れるように心がることが一番大切です。

 その上で、日常生活に徐々に適応することです。外出の自粛から、分散登校、そして今回の学校再開と、3/2の臨時休業から3か月以上の空白の期間がありました。心と体が学校生活になじむには、時間がかかります。そのことを念頭において、あまり大きな負荷をいきなりかけることなく、徐々に慣れていってください。

 次にお願いです。ピンチをチャンスに変えて発想し行動することです。校長通信にも書きましたが、この間、ずっと授業ができませんでした。学校が再開したとは言え、「新しい生活様式」の中で様々な制限・制約があります。

 また、今後、いつ何時、府内の学校でクラスターが発生し、臨時休業となり、授業ができなくなるかもしれません。

 大阪府ではオンライン授業の環境整備に乗り出し、本校でもオンライン授業の準備も進めています。しかし、オンライン授業は便利で役立つものですが、限界もあります。たとえば画面の前で寝ている生徒は起こすことができません。これまでの教えてもらう、指導してもらうという受け身の学習スタイルでは、たとえオンライン授業を導入しても、あなた方の学びは保障できません。

 ピンチをチャンスにです。この今回のコロナ危機を教訓に、学びのスタイルを変えようとして下さい。受け身の学習スタイルから主体的な学習スタイルへの転換です。極端に言えば、テキスト、教科書やお手本さえあれば、後は自分で繰り返し、読んだり、書いたり、まねたりして、自分の力で理解したり、できるようになることです。

 それでは教師やコーチは必要ないと思うかもしれません。そんなことはありません。誰しも得手不得手や苦手なことがあります。自分の力だけでは、分からない、できない箇所がどうしても出てきます。それを先生やコーチに指導してもらうのです。

 これを機に、一人の努力でできること、指導者がいないとできないこと、そしてみんなとともにしかできないこと、とは何かを考えてみて下さい。主体的な学びは一人ででもできます。しかし、対話的で深い学びは、指導者や周りの仲間がいないとできないのです。学校で学ぶ意味は、ここにあります。

 いきなり急に180°のスタイルの転換は難しいかもしれませんが、好きな教科、得意な科目から徐々に意識してはじめて下さい。決して不可能ではありません。

 39期生のみなさん、図らずしも、あなた方は従来の枠組みとは違う、進路、行事にチャレンジすることになります。

 制度改革の不備やコロナ危機により、就職や進学も今までどおりではありません。まさに先行き不透明な状況です。だからこそ、多少の変化があっても柔軟に対応できるように、自らの進路実現に必要となる知識や技能の習得に努め、果敢にチャレンジできるようにして下さい。私たち教職員も、全力でバックアップします。

 学校行事について、本校は、現在のところ、体育祭や文化祭の実施を計画しています。何とか実施させてあげたいとの思いからです。しかし、実施とは言え、昨年通りではありません。みなさんの安全の確保との兼ね合いで、様々な制限や制約を課すことになります。

 従来通りでの発想では、あれもできない、これもできないと、ついつい思いがちになります。発想を変えてください。コロナ危機により、従来と同じことは、もとからできないのです。限られた条件の中でも、工夫すれば、こんなこともできる、あんなことも可能になると発想を変えるのです。それが想像・創造です。

 先日、進路や行事のことで3年生の学年主任と話していました。体育祭や文化祭について、制限や制約が多いことや、計画が再度の臨時休業でふっとぶかもしれない可能性について話すと、学年主任は「その時は、そうなった時で、何ができるか考えます。」と、さらっと言いました。

 「すごい!」と思いました。39期生のみなさん、あなた方は、たとえ、どんなことが起こっても、それに負けず、その時にやれることをやる力があると信頼されているのです。だからこそ、主任はさらっとそう言えるのです。私は、正直、感動しました。

 40期生のみなさん、あなた方は、こうした先輩と新入生をつなぐ役割です。先輩たちの姿を焼き付け、見習い、新入生を導いてやって下さい。そして、もし、制限や制約がなくなる日が来て、自分たちが中心になった時には、従来通りではなく、先輩たちの創造から、さらにその先を追求して下さい。金剛高校を向上させるということは、そういうことです。

 繰り返します。このピンチの中で、最大限自分たちがやれることは、何か、やってよかったと思うことは何かを考えて、知恵を出し合って行動して下さい。それがピンチをチャンスに変えることです。あなた方には、その力があります。

 強い金剛、楽しい金剛、夢のある金剛は、今こそ、その真価が問われているのです。

以上を式辞とします。

令和2年6月15日

校長

上本 雅也

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