式 辞
校庭に咲く色とりどりの花々や通りすぎる温かい風に、春の訪れが感じられるようになりました。
ただ今、入学を許可しました松原高等学校第四十期生、２８３名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。保護者のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。
また、本日ここに、第四十回、入学式を挙行いたしましたところ、御多忙にも関わりませず、多くの御来賓、関係の皆様方の御臨席を賜りました。高い所からではありますが厚くお礼を申しあげます。
松原高校が創設されて、四十年という一つの大きな節目の年に、皆さんを迎えることができ、ともに歴史を刻めることを、在校生・教職員一同、とても楽しみにしています。
本校は、昭和四十九年四月一日、地元の熱い期待と支援を受け、創設されました。四十年の歴史を振り返ってみますと、毎日の学校生活の中で、生徒と教職員が築いてきた信頼関係をベースに、生徒一人ひとりが、互いの生き方や立場の違いを認め合うチカラを培うよう、教育実践を積み重ねてきました。そして、そのために、教員が徹底的に一人ひとりの生徒に向き合うことを、何より大切にしてきました。そのこころが伝統として教員の中に引き継がれている学校であると自負しています。
高校教育に求められることは、次の時代を担う若者を育て、社会人としてやっていくチカラを身につけることです。松原高校では、教育方針の中で、ユニバーサルな授業づくりを目標におき、「視覚化・協働化・構造化」の具体化を進めてきました。その取り組みの中で、「わかりやすい授業・充実した授業」となり、そのことが日常の教育活動にも発展していくものと考えています。そうして、三年間の教育活動の中で、生徒一人ひとりが、自身の夢や志を胸に抱き、その実現に向けて、しっかりと社会につながるチカラを身につけるよう、保護者の皆様方や関係の方々の協力を得ながら、一層力を尽くしていきたいと考えています。
松原高校では、そのための具体的な学校方針を『優しいチカラを育てよう～人を思いやり、自分を鍛え、未来を描く』としています。ルールを守り、互いを思いやる自覚と責任、違いを認め、ともに生きる感性、そして、コミュニケーションの力をはぐくむことを柱に取組みを進めています。知的障がい生徒自立支援コースが制度化され、今年も三名の仲間を迎えています。生徒が互いに認め合い、支えあう関係を育て、障がいのある生徒も障がいのない生徒も「ともに学び、ともに生きる」ため、豊かな学びを深めてほしいと思います。
松原高校では、さまざまな場面で、自分からチャレンジする機会があります。どこでどう参加するかは、一人ひとりの選択に任されています。
新入生の皆さんに、今日、ぜひとも伝えたいことは、これまで、小学校・中学校の九年間にわたる義務教育を終え、さまざまな出会いや学びがあったと思います。これまでの自分を大切にしながらも、今日からは、松原高校の生徒です。松高というチームの一員であるという誇りと自覚をもって、新たなスタートをきってください。そして、いろいろなことにチャレンジしてみてください。失敗を恐れずに。
地元の人々、おじいさんやおばあさん、小さな子どもたち、みんなから、愛され信頼される松高生であるよう、お願いしておきたいと思います。みなさんの中には、お父さんやお母さん、お姉さんやお兄さん、親戚のだれだれさんが松高生や松高出身という人がかなりいると思います。そういうつながりが、四十年の歴史を刻んできた松高の誇りなのです。次には、皆さんの子どもや親戚に「高校に行くなら、松高がいいよ」て、自慢できる松原高校を、ともに築いていきましょう。私からのお願いです。
ご列席の保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。改めて心からお祝い申し上げます。
高校生の時期は、社会につながるチカラを身につけてもらわないといけません。そのために、これまでとは異なり、子どもたちに、厳しくルールを守ってもらったり、悩ましい局面に向き合ってもらわないといけないことが、あるかもしれません。
もし、ご家庭でも、悩まれることがあるかもしれません。どうか、そのようなときは、遠慮せずに、担任の先生たちにご相談いただきたいと思います。家庭と学校の連携を密にしていただきますとともに、何卒本校教育に深いご理解と、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
最後に、御多忙の中、御臨席を賜りました御来賓の皆さま、本当にありがとうございました。今後とも本校教育発展のため、一層の御指導、御鞭撻をいただくとともに、御支援、御協力くださいますようお願い申し上げます。
以上、入学生の皆さんの今後の活躍と発展を期待し、私からの式辞といたします。
平成二十五年四月八日
大阪府立松原高等学校
校長 古川知子